米ドルの価値下落が金相場のバブルを呼ぶ
金価格を見るときに忘れてはいけないのが、世界の基軸通貨であるドルの価値です。上記のチャートでもわかるように、金価格は長期的に米ドルに対して反相関関係にあります。では、今後米ドルはどのようになっていくのでしょうか?上記は米ドル対主要通貨のインデックスです。世界の主要通貨に対して、上に行くほどドル高下にいくほどドル安になっていることを示しています。1973年以降の対主要国通貨で測ったドルインデックス(FRB発表の名目値)は上記のように推移してきたわけです。
長期的に着実な下落放物ラインを描いており、ドル紙幣の価値は希薄化され続けています。大量のドルが、昔のように金の裏付けなしに無制限に印刷され続けているのですから、基本的にこれは止まりません。現在、リーマンショック時につけた70という下値ラインに再び並んできました。このドルの安さのお陰で金をはじめ、ドルで取引される商品価格は自然に高く表示されます。同じ価値であってもドルの価値が下がる分、より多くの枚数を払わないと金や油を購入できないのですから当たり前の現象です。
この70ラインは新たなドルの下落の世界へ入る最後の砦なので、暫く抵抗もみ合い、或いは一旦少し上がるかもしれませんが、要するにカップ・ウィズ・ハンドル形を逆に描いた様式であり、ハンドル部分を下に抜ければ下げの真空ゾーンへと入ります。この下抜けが起きたとき、金のラストランが開始される可能性が高いとみていますが、それは数年内に起こると見ています。