ややハードな走りの3ドアバージョン
クリエイティブテクノロジーというブランドスローガンのもと、斬新でダイナミックな個性を主張するシトロエンの新しいラインナップ、DSシリーズ。その第一弾として2010年に登場した3ドアハッチバックのDS3。ベーシックなシック(249万円)と、よりスポーティなスポーツシック(269万円 受注生産)をラインナップする。ボディサイズは全長3965mm×全幅1715mm×全高1455mm
当時のDSは、内外装のデザインのみならず、メカニズム的にも時代の先端、というか先を行っており、今なお多くのシトロエンファンが崇拝する、言ってみればシトロエン教の大本尊である。
C+数字のノーマルシリーズと並び立つ新シリーズをDSと呼んだわけは、そんなヘリテイジの名にあやかって、これまでとは違うということをアピールしたかったのだろう。シトロエンのスペシャリティ、というわけだ。
フツウの日本人にとってみれば、シトロエン自体がスペシャルだから、そのスペシャルはとんでもなくマニアックに思えるかも知れないが、実のところは数字を同じくするクルマと基本、同様のメカニズムをもっていて、さらにアヴァンギャルドなデザインと、やや特別仕立てのライドテイストに仕立てた、といった感じだろうか。
DS3(ということはDS4……も、出る)には、ちょっとBMWミニを意識したところもあって、ミニファンには方腹痛いかも知れないが、シトロエンには“こっちはオリジナルデザインで、レトロモダンなんかじゃない”という主張もあって、引き分けである。要するに、買う方の好みの問題。互いに意識することはない。
C3を、ややハードにしたかなあ、という感じの走りである。基本的にはC3の3ドアバージョンと考えればいい。3ドアの不便さと引き換えに、個性的なカタチと、選ぶことが楽しい豊富なオプションを手に入れた。なかでもWEB注文限定のDS3×マヤゴノミなどは、ノーマルにはないルーフカラーが選べて、コンフィギュレーターで遊ぶだけでもとても楽しい。ステッカーは余計だけれど。