だれでも簡単にできる地震対策
わが家では、以前から食器棚に市販の家具転倒防止器具を取り付けています。それは、阪神・淡路大震災のときに、家具の転倒による避難の遅れや大ケガによって死亡する人がとても多かったという話を聞いたからです。これがわが家の転倒防止器具。突っ張りタイプのもので、1500円(2本セット)くらいだったと記憶しています
そこで、どの程度効果があるのか半信半疑だったものの、2本対になった転倒防止器具をホームセンターで買い求め、設置したのです。
転倒防止器具のおかげで家具が揺れない?
3月11日の東北大震災の際、都内でもかなりの揺れを感じましたが、幸いにもわが家では、家具が転倒することもなく、ガラスが割れることもありませんでした。唯一の被害は、高い位置に置いていた洗いカゴが床に落ちて、中に残っていたわずかな食器が割れたことです。転倒防止器具を取り付けていた食器棚は、洗いカゴが置いてあった棚のすぐ近くにあるのですが、観音扉が開くことはなかったようで、食器類はすべて無事でした。
家具が揺れなければ中のものを守れる
実は、家具転倒防止器具の効果が自分の思っていた以上に大きかったことを実感したのは、地震発生の数日後、知人から「食器棚の食器が半分くらい割れてしまった」という話を聞いたからです。私が住むエリアとほぼ同じ震度5弱だった地域に住む知人の家でも、地震当日、家具が転倒することはなかったそうですが、ひとつ大きく違っていたのは食器棚の中の食器の運命です。彼女の家では、食器棚が大きく揺れたことで中に収納していた食器全体が前面に移動してしまったため、扉を開いた途端、かなりの量の食器が飛び出してきて、割れてしまったというのです。「扉を開くときに手が届く範囲の食器は押さえたけれど、半分くらいの食器は救えなかった」と残念そうに語っていました。
また、別の知人は「食器棚の中でグラスとグラスがぶつかり、割れてしまった」と話していました。
わが家の場合は、恐らく家具転倒防止器具のおかげで、食器棚そのものが大きく揺れなかったので、中の食器も移動しなかったのでしょう。2人の知人の話を聞いてから、改めて食器の位置を確認しましたが、目立って動いているものはありませんでした。
家具転倒防止器具が万能というわけではありませんし、家具の配置や揺れの具合にもよりますが、地震対策として検討している人は、早めに取り入れてください。とくに割れやすいものを収納している食器棚のほか、背の高い家具に採用することをおすすめします。