子供の病気/RSウイルス感染症

子供のロタウイルス胃腸炎の症状・治療・予防(2ページ目)

ロタウイルスは子供に多い胃腸炎の原因の1つ。冬から春にかけて多い感染症で、腹痛、嘔吐、下痢などの症状が見られます。下痢の場合、便が白くなる白色便を起こすのが特徴。ロタウイルスによる感染性胃腸炎の症状、治療、予防法について説明します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド


ロタウイルス胃腸炎の検査

子どもがロタウイルス胃腸炎にかかったかなと思った時には、便を持参しましょう。必ず袋に入れて密閉し、そのまま看護師や医師に渡してください。

開けてしまうと、周りにロタウイルスが拡がることになってしまいます。病院で便をロタウイルス迅速検査キットを使って診断します。15分で判定できます。

ロタウイルス胃腸炎の治療法

点滴

脱水がひどいと、点滴になりますが、ワクチンで防げます

ロタウイルスに対する特効薬はないので、対症療法が中心です。下痢による水分の喪失を防ぐために下痢止めを使います。ただし、下痢はウイルスを排除する体の防御機構ですので、軽度の下痢なら、水分補給で十分です。

脱水を防ぐために、水分補給は大切です。吐き気のある場合は、吐き気止めを使います。

小さい子供の場合は吐き気を訴えることができません。水分を嫌がったり、食欲のない時には、吐き気があるかもしれないと考えましょう。私自身、吐いていなくても、水分を取らない子供には吐き気止めを使うことがあります。

なるべく、水分を取ることが大切で、できれば、イオン飲料を飲ますようにしましょう。熱中症の使う経口補水液も有効です。柑橘系の果物は吐き気が出やすいので、避けた方がいいでしょう。リンゴなどの繊維を含む食材の方がよいと思います。

経口での水分補給が難しい場合は、点滴による水分補給が必要で、場合によっては入院して点滴になってしまいます。ワクチンはこの入院をかなり減らしてくれます。

ロタウイルス胃腸炎の予防

手洗いが中心になります。トイレの後や食事前に手洗いは必須です。便や吐物などで汚染されたものには消毒しましょう。

消毒は、熱湯あるいは0.05から0.1%の次亜塩素酸ナトリウムを使いましょう。アルコールや逆性石鹸では残念ながらあまり効果はありません。

子供のロタウイルス予防法にはワクチンがあり、すでに海外では使われています。

アメリカでは2007年にロタウイルスワクチンが定期接種になっております。一方日本では、2011年11月に自費による任意接種で開始になりました。詳細は、次回のロタウイルスワクチンで説明します。
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