白血病の分類
FAB分類 <F=French A=American B=British>
白血病は、
- 細菌に対する免疫に関わる白血球が腫瘍化する「骨髄性白血病」
- ウイルスに対する免疫に関わる白血球が腫瘍化する「リンパ性白血病」
■ 急性骨髄性白血病
※最初に、分類時に出てくる専門用語を簡単にご紹介します。
- ペルオキシダーゼ……分化した最終的な白血球に含まれる酵素
- エラスターぜ……単球という白血球の1種に含まれる酵素
- 芽球……ちょうど植物の芽のように、分化した細胞の芽のような細胞のこと
- M……骨髄のこと(英語の頭文字をとっています)
以下の分類は、骨髄からできる白血球の分化で、どの段階で腫瘍化するのかで分けたもの。数字が小さいほど分化していない白血球ということになります。M0~M4までが骨髄の細胞関係、M5は単球関係、M6は赤血球関係、M7は血小板関係です。それぞれ治療が違ってきますので、どこに該当する白血病なのかの判断は重要です。
【急性骨髄腫白血病の分類】
- M0:ペルオキシダーゼがない、まだ未分化の細胞
- M1:ペルオキシダーゼがあって、未分化の細胞
- M2:顆粒球という血液中にある分化した細胞
- M3:急性前骨髄球性白血病と言って、骨髄の中にある白血球になる前の細胞
- M4: 急性骨髄単球性白血病と言って、骨髄である単球でエステラーゼが含まれている
- M5:急性単球性白血病と言って、血液検査でも見られる単球。エステラーゼが含まれている
- M6:赤白血病と言って、赤血球になる前の細胞、赤芽球が50%以上骨髄内にある状態。それ以外の30%以上占めているのが芽球
- M7:急性巨核芽球性白血病と言って、血小板を作る巨核芽球が30%以上骨髄内にある状態
悪性のリンパ球が増えている状態です。リンパ球の大きさで分けていて、数字が大きいほど、細胞の大きさが多くなります。
※ L……リンパ球のこと(英語の頭文字をとっています)
【急性リンパ性白血病の分類】
- L1:小型で細胞に占める核が大きいリンパ芽球。小児に多い
- L2:核に切れ込みなどを持つ大型リンパ芽球。成人に多い
- L3:バーキットburkitt型。芽球が円形の核を持つ大型のもので、大きな空胞を持つ
分類によって、予後や治療が変わってきますので、白血球を染色して見やすくして顕微鏡で観察します。