長期的に金は有望な投資対象
ここで金についてもう少し深く見てみましょう。有史以来、世界の金の埋蔵量は14万3000トンしかないと言われており、現在の残りの埋蔵量はその3分の1以下、つまり4万2000トン(大体オリンピックプール一杯くらい)と推定されています。その一方で、大雑把に金の年間需給をみていきますと、世界の金市場は2000年以降、供給量は大体年間4000トン位で推移しています。このうち約2500トン前後が世界の鉱山からの新たな産出で、残りは中古金のスクラップと国などの公共部門からの放出となります。金といえば南アフリカが思い浮かぶと思いますが、その産出量は1970年の年間1000トンから現在では200トン台となり、産出量は右斜め下45度の角度で落下しています。今後も供給は減ることはあっても、増えることはないと思われます。4万2000トンの推定残量に対して年間2500トンの金を採掘しているわけですので、巨大金山の発見でもなければそう遠くない将来に金は掘り尽くされてしまいます。実際のところ、金の採掘可能年数があと22年で終わるという予想もあります。
一方、需要の方ですが、年間約4000トンの供給量のうち3000トン強が実需に使用されます。歯科治療や工業品にも使用されますが、大半は宝飾品でインドがダントツの消費国となっています。インドは自国で宝飾品を加工し、ドバイなど金が好きなアラブ諸国へ輸出しており、金加工はITと並ぶインドの主要輸出産品となっています。
残りが最近増えている投資の部分で、金塊、コインとして持つものと、先物投資やETF(指数連動型上場投信)などの投資用にリザーブされるものです。以上から、長期的に見て金は供給が先細りしていく見通しである一方、今後新興国の成長があれば世界全体の需要は拡大傾向が継続し、需要が供給を上回る可能性が高いのではないかと思います。もちろんそうなれば金価格は上昇します。このことから、金鉱山銘柄は押えておいてよいテーマのひとつと考えます。
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