女性の職業別年収、平均データは?
給与や年収、ボーナスに関するデータはよく見ますが、女性に限定したものはあまり見ることがありません。本来、男女で賃金は変わらないはずですが、実際は職種や仕事の内容、キャリアの状況、勤続期間によって変わってきます。では、実際に女性の給与はどのような傾向なのでしょうか? 「令和2年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)のデータをもとに見てみましょう。
女性の職業、年収1位は医師で1188万円
上の図は、女性の職種別年収からトップ20を抜き出したものです。年収は、決まって支給する現金給与額(月額)と賞与などの特別給与額(年額)から計算しています(月額現金給与額×12+年額賞与など特別給与額)。高額トップは医師で年収1188万円。続いて、大学教授1021万円、航空機操縦士893万円、大学准教授843万円となっています。800万円以上は、この4職種です。ただ、平成25年の同じ調査ではトップは弁護士でした。今回の調査では弁護士がランキングに入っていませんが、調査対象であれば弁護士がランクインしていることでしょう。
医師、航空操縦士は断トツの高所得
医師は40.6歳、航空機操縦士は44.4歳と年齢が若くても45歳までで年収800万円を超えています。専門の資格を持っているのは強いですね。他にも、公認会計士、税理士、歯科医師、助産師などの難関資格系の職種も所得上位になっています。また、獣医師や薬剤師などの医療系の仕事も年収500万円を超えています。やはり、専門的な職種が強いですね。
高校、大学の教員も安定
また、教員関係も高所得となっています。大学教授は1000万円を超えていますが、大学教授はすぐになれる職種ではなく、平均年齢57.6歳となっており、他の職種よりは年齢、キャリアもかなり高いといえます。とはいえ、大学教授になる前の准教授で843万円、大学講師が622万円ですから、大学の教員はいずれも高所得であるといえそうです。また、高等学校の教員も621万円となっており、高校以上の教職は所得面で安定していることが分かります。
他にも、経営・金融・保険関係、記者、研究者、システムコンサルタント、客室乗務員などのスペシャリストがあがっています。簡単に就ける仕事ではありませんが、得られる報酬は高そうですね。
では、一般的に多くの女性が就いている職種はどのようになっているのでしょうか? 労働人口が多い職種の年収を見てみましょう。
女性労働者数トップは介護職員 年収343万円
上の図は、職種別の女性労働者数順に、平均年収と年齢を並べたものです。一番人数が多かったのが介護職員。年収343万円です。平成25年の調査では看護師がトップでした。介護施設等が増え、比較的容易に就ける仕事でもあり増えているようです。
看護師 490万円、准看護師 410万円
看護師は2位となりましたが、16位には准看護師となっているので、今でも、女性の職場として看護が大きな割合を占めているのがわかります。看護師だと平均年収は490万円、准看護師は410万円となっています。持っている資格で年収はかなり違ってくるということですね。ちなみに平均年齢は看護師41.5歳、准看護師51歳となっており、年齢よりも保有資格が年収に影響していることがよく分かります。
総合事務職 406万円
女性の労働者数が次に多い職種が総合事務員。年収406万円と高収入な事務員となっています。平均年齢も42.4歳と正社員として働き続けている人が増えているようです。販売店員 年収274万円台
4番目に労働者が多かったのが、販売店員。年収は274万円と300万円を切っています。平均年齢も42.6歳と他と変わりませんが低収入となっています。資格も必要なく、働き始めやすい職種のためでしょう。保育士 372万円、幼稚園教員 373万円
女性の職業で忘れてはいけないのが、幼稚園の先生や保育所の保育士。労働者数でも保育士10位、幼稚園教員17位となっています。年収は保育士372万円、幼稚園教員373万円と共に370万円程度となっています。幼稚園教員のほうが平均年齢は2歳ほど低いのに、年収は同程度。幼稚園教員のほうが高所得というイメージがありましたが、保育士のニーズの高まりからか、収入差はあまりないようです。
事務系の仕事に従事する人は多く、年収360万円~
また、全体的に事務系の仕事に従事している人がたくさんいることがわかります。庶務・人事事務員、会計事務従事者、保険営業職業従事者、生産関連事務従事者など。それぞれ年収は360万円から400万円程度。正社員として多くの女性が事務系の仕事を続けているのがわかります。いかがでしたか? 女性の賃金や年収について見てきました。単に平均年収を見るのではなく、平均年齢や勤続年数も参考にしてデータを見てください。女性は出産や育児、介護などで働き続けるのが難しい面もあるかもしれませんが、このようなデータを参考に、どのように働き続けるか(再び働くか)を具体的にイメージできるといいですね。
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