VDT症候群/VDT症候群の予防・治療・対策

疲れ目・映像酔い……3D映像のしくみと正しい見方

2010年の3D映画の大ヒット以降、3Dテレビ、3Dゲームなど続々と新商品が発売されはじめ、3D(立体映像)が大衆化しつつあります。疲れ目や映像酔いの心配はないのでしょうか? 3Dのしくみと

執筆者:高林 克枝

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3D映像を楽しむコツがあります

2010年の3D映画の大ヒット以降、3Dテレビ、3Dゲームなど続々と新商品が発売されはじめ、3D映像(立体映像)が大衆化しつつあります。それにともない、視聴した人々からは疲れ目や気分が悪くなるといった声が聞かれます。私も、はじめて3D映画を観たときは、始まって1時間ぐらいで、こみあげてくるような酔いを体感し、やはりこれは立体視のせいなのかもと感じたことがあります。

3D映像のしくみと、適切な見方について解説します。

3D映像が見えるしくみとは

立体視は、目の錯覚を利用することで飛び出し効果を楽しむことができます。通常は、映画のスクリーン、テレビやパソコンのディスプレイ上で目の焦点を合わせてモノを見ます。それを、特殊な3Dメガネをかけるなどして、左右の目の見え方を変え、別々の映像を見せることで、焦点をディスプレイより手前に結ぶようにすることで、立体的に見えるようになるのです。(下図)

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3Dが見えるしくみを図解



3D映像視聴時の症状はいわゆる映像酔い

3D映像を見たときに一部の人が感じる症状として、目の疲れ、目が重い、二重に見える、頭痛、肩こり、吐き気、めまい、酔いなどが挙げられます。映像酔いがなぜ起きるかについてはさまざまな説があり、まだ定かではありません。でも、そういう体調不良が起こりうることや、起こったときの対処を知っておく必要があります。

国民生活センターは、急速に普及する3Dに対し、視聴による体調不良の可能性などの注意をよびかけています。内容は以下の通りです。

1. 3D映像は体調不良を起こすおそれがあることを知っておこう
3D映像は体質によって、またその日の体調等によっても変調を感じる場合がある。劇場用の映画を観る場合は、そういうことがあるということを知った上で、自分の状態を判断する。

2. 体調不良を感じたら視聴を中止する
もし、途中で体調不良を感じたらすぐに視聴をやめたほうがよい。また観ている最中は気がつかなくても、後でふらつきや眼精疲労を感じることがあるので、鑑賞後はしばらくの間は、自動車の運転をしない方がよい。

3. 子どもは保護者がしっかり配慮する
子どもに劇場用映画を観せるかどうかは親の判断となる。眼鏡が顔に合わない状態などは適当ではないので、あまり小さいうちは避け、子どもの成長や状態で判断する。また、映画館から持ち帰った眼鏡で遊んだりさせないようにする。


映像に酔わないために……3Dの適切な見方とは

視聴者の体調や、適切ではない見方をすると、体調不良をおこす可能性がある3D映像について、業界団体の3Dコンソーシアムでは、「3DC安全ガイドライン」のなかで、視聴する際の指針を設けています。そのなかで、消費者側が意識して注意できるものをとりあげてみます。

  • ディスプレイ表示面に対し、両目を水平にした姿勢でみる(見上げたり、見下げるような姿勢で見ない)
  • 立体映像は画面を正面からみる(映像を斜め方向などからみない)
  • 視聴時間のなかで、疲労、不快感、異常を感じたら使用を一旦やめる
  • 低年齢層への配慮として、視聴の可否や視聴時間を大人が管理する

  • こうして、3D映像を楽しむためには、前もってちょっとした知識と注意が必要なことをおわかりいただけたでしょうか。くれぐれも、体調の変化に気づいたときには無理をしないことを念頭においてください。
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