座面は高めで前上がりの形状
リクライニングをもっとも起こした状態(左)と、寝かせた状態(右)
キューレットミューラーは、コンビの中では座面が高い部類になります。メーカースペックで49cmの座面高なのですが、かなり前上がりの設計が施されているため、実際に座らせてみるとスペックよりも低く思えるかもしれません。ガイドの実測値でも最深部(座面のもっとも奥)の地上高は40cm前後だったので、例えばアップリカのスティックなどと比較すると座面の高さが際立つという感じではありません。ただ、前上がりの角度がしっかり設定されていることで、座っていても寝ていても前にずれ落ちにくいという利点があります。
座面の幅は32cmと広く、大きくなってから、また防寒具を着込んでいても心配はないでしょう。ストラップは5点式で、ショルダーストラップ側が左右とも簡単に外れる仕組みで、わざわざ子どもの手を通す必要がないのは意外に便利。なお、車体自体の幅は50cm以下なので、広めの改札であれば問題なく通れます。このあたりのサイジングはさすが日本メーカーです。
無段階でリクライニング可能、足置きも伸ばせる
アダマスとガーネを、それぞれリクライニングして比較。左がアダマス、右がガーネ。座面の奥行きも異なる
最大165度とフルリクライニングが可能なアダマスですが、リクライニングは従来と変わらずストラップによる無段階方式。割と直感的に扱え、子どもを乗せたままでも好きな角度に調整しやすいので便利です。165度というと、ベビーカーの中でももっとも水平に近い部類で、ガーネとアダマスをそれぞれ最大限に倒して並べてみると、わずか15度とはいえその違いが大きいことがわかります。
足乗せを縮めればひざも曲げやすい
また、アダマスに追加されている機能として座面の先端(足受け)を伸ばすことで、座面の奥行きを広げられる点があげられます。通常時の座面の奥行きはガーネが21cm、アダマスが22cmといたって平均的なサイズです。しかし実際に子どもを乗せてみると分かるのですが、このサイズだと身長80cm以上になるとちょうど足先が飛び出てしまい、リクライニングさせたときにちょっとつらそうです。アダマスのように足受けを伸ばせれば、足先までゆったりとシートに預けられるので、子どもの快適性もアップするに違いありません。
足先まで伸ばしてゆったり預けられるので、子どもの快適性も抜群
ガイドの娘は生後8ヶ月頃、片足ギプス生活を余儀なくされたことがあるのですが、その時も足受け機能のあるベビーカーには助けられました(おんぶは無理、抱っこ紐も使えなかったので)。ギプスに限らず、股関節脱臼の治療などで装具をつけていらっしゃるお子さんもいらっしゃると思います。そんな時は、座面の幅と足置きに着目するのも一考ではないでしょうか。