ゲーム業界ニュース/ゲームとビジネスニュース

3DS発売で、携帯ゲーム戦争は起こるのか(2ページ目)

2011年2月26日、満を持して発売されたニンテンドーDSの後継機、ニンテンドー3DS。多くのメディアが取り上げ、中にはPSPの後継機のNGPやスマートフォンとの全面対決を予想する記事もあらわれはじめました。ここで1度、それぞれのプラットフォームについて、状況をまとめ、携帯ゲーム市場について考えてみたいと思います。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

携帯ゲーム機にコアユーザーを狙うNGP

NGPの図

ハイスペック、そしてゲームプレイに特化したインターフェースでコアユーザーを狙います。

最初にお断りしておくと、NGPは発売どころか、まだ最初の発表があったばかりです。なので、現時点で考えらることはあくまでその発表から類推できることだけです。今後、今まで全く出ていなかった新情報が出れば、大きく変わっていくかもしれません。

現時点でNGPが強くアピールしていることは、PS3並みのゲームが携帯ゲーム機でも実現できるよ、ということです。また、もう1つ着目しておきたい3DSとの大きな違いは、アナログスティックが2本ついている点ですね。NGPではコール オブ デューティーシリーズの発売がすでに発表されています。こういったタイトルが、据え置き機と比べてゲーム内容的にも操作環境的にも遜色なく遊べるというのが、NGPの1つのポイントです。

日本だけ言うと、PSPはモンスターハンターポータブル(以下モンハンP)シリーズの市場が圧倒的で、その動向が重要になりますが、NGPはさらに海外でも売っていくために、据え置きハードでコアなゲームを遊ぶユーザーを取りにきている印象があります。

【関連記事】
次世代PSP「NGP」 海外市場への宣戦布告(AllABoutゲーム業界ニュース)

機能の1つとしてゲームを取り込んでいくスマートフォン

iPhoneの図

多彩な機能の1つとしてゲームも積極的に取り込んでいきます。

最後に、スマートフォンです。iPhoneやGALAXYなど、性能的にはスマートフォンもゲーム専用機とまったく遜色ありません。また、5年、あるいは6年に1度しか世代交代しないゲーム専用機にくらべ、スマートフォンはどんどん性能をアップさせていきますから、その点でも、長期的に見て性能的にはむしろ優位に立つと考えられます。

ただし、ポイントは性能ではありません。スマートフォンを買う人にとってゲームがどのような位置づけであるか、ということです。おそらくは、主たる目的として、通話や、メール、Webサイトの閲覧などがあって、さらに、スケジュールや連絡先の管理、動画や音楽を観たり聴いたりがあって、それで、ゲームも、という位置にある人が多いのではないでしょうか。

そもそもスマートフォンは、莫大な開発費をかけたリッチなゲームコンテンツを投入し、このゲームが遊びたい人はこのスマートフォンを買ってください、という流れで売られてはいませんから、ゲームを主目的に買う人が少ないのは当然です。

スマートフォンのゲームタイトルは、価格は数百円ぐらいのものが多く、オンラインダウンロードでいつでも気軽に購入できるので、スマートフォンを持っているからゲームも利用している、そういう人の方が多いでしょう。

つまり、たくさんある機能やサービスの1つとして、ゲームも積極的に取り込んでユーザーの利用機会を増やしていく、というのがスマートフォンとゲームの関係です。

それぞれのゲームが、どのような形で市場を作っていこうとしているか、お話しましたが、最後にそれらがどのように交わるのか、あるいは交わらないのかについて、まとめていきたいと思います。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます