肺・気道の病気/結核・肺結核

子供の結核の症状・検査・治療・予防(2ページ目)

大人の場合、咳が長く続くと結核が疑われることがあります。子供の結核はBCGによる予防注射で減っていますが、結核菌を持った大人から子供に感染し、大人と違った症状、経過を示し、時に重症になってしまうことがあります。子供の結核の症状・治療法について解説します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド


結核の治療

服用

しっかりと薬を最後まで服用することが大切です

抗結核薬で治療します。子供の結核と大人の結核も治療方法は同じです。

イソニアジド、リファンピシン、ピラジナミドという薬を中心に、エタンブトールかストレプトマイシンの4つの薬を2ヶ月間、イソニアジド、リファンピシンを4ヶ月間続けます。計6ヶ月はしっかりと治療しましょう。

咳がなくなったからとか熱が下がったからとか言ってよくなっても、途中で服薬を決してやめないでください。結核菌は増えるのが遅いため、しっかりと菌を体内から無くすためには長く服用する必要があります。

途中で中断して結核菌が残っていた場合、増えてきた結核菌は薬が効かなくなっていることがあります。その場合、治療がなかなか難しくなります。

万が一、結核に罹ったら、しっかりと治療すること。早期発見、早期治療で後遺症なく、治ります。薬が効かない結核になって治療に難渋しないためにも、他人にうつさないためにも、薬は最後まで飲んでください。

また、結核の方と同居しているからといって、100%感染するわけではありません。その場合は保健所で接触者検診を行い、早期発見に努めることになります。結核が疑わしい場合は、イソニアジドで早期に治療することあります。結核を予防するワクチンもあります。

結核の予防

1歳以下の乳児ほど発病しやすく、発病するまでが早いので、特に予防が大切です。

結核には予防接種があります。Bacille(桿菌といって菌の形) Calmette(フランス人名)-Guerin(フランス人名)」の頭文字を取ってBCGと呼ばれています。BCGは、牛に感染し人には感染しない毒性の弱い結核菌を使った生ワクチンです。現在、接種時期は生後6ヶ月まで行う事になっています。BCGについて今後、予防接種・ワクチンで説明したいと思っています。

結核は早期発見、早期治療すれば、治療できる病気です。早期発見するためには結核について知る必要があり、周りの人に結核菌を広めないためにもしっかりと治療する必要があります。

結核が重症化する子供の場合は予防するワクチンがありますので、ワクチンを受けておきましょう。
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