生活の中にモータースポーツがある
以前もインディカーの記事でご紹介しましたが、アメリカでは生活の身近な所でモータースポーツと触れる機会がたくさんあります。スーパーにディスプレイされているビールのコーナー。アメリカで愛されるビール「ミラー・ライト」のスポンサードを受けるのは新世代の暴れん坊、ブラッド・ケゼロフスキー
スーパーマーケットに行けば、ビールや食料品などのコーナーにNASCARドライバーのパネルがディスプレイされています。全米プロスポーツの視聴率で第2位の地位まで成長したNASCARですから、大企業がこのレースをイメージキャラクターに使う事は当然です。
トップドライバーにはアメリカ人なら誰でも知っている大企業の商品がスポンサーに付き、レースの賞金だけではなく、複数のスポンサーのキャラクターになることで多額のサラリーを得ています。彼らが豪邸に住む事ができるのも、豪華なキャンピングカーを持てるのも、プライベートジェットも所有できるのも当然といえば当然ですね。
一番の人気を誇るNASCARのドライバーはデイル・アーンハートJr。「スプリントカップ」ではエナジードリンクの「amp」、州兵を募集する「National Guard」などのスポンサードを受ける。さらに「ネイションワイドシリーズ」のレースではマヨネーズなどを製造する「HELLMANN'S」のスポンサードを受けて走る。写真はスーパーに飾られた「HELLMANN'S」のコーナー。デイル・アーンハートJrの横にマヨネーズが山積み!
彼らはスポンサーのために走り、平日にはプロモーションの仕事をこなし、パネルや広告になってイメージキャラクターとして街に登場し、新たなファンを獲得して行く。以前は日本のプロ野球やサッカーでも見られたような、人々の生活と密着して人気を獲得する「好循環」を生み出しています。
F1でもお馴染みのRed BullはNASCARチームも持っている。
NASCARから学ぶべき事はないのか?
全米での人気ぶりとは裏腹に日本ではなかなか知名度があがらないNASCAR。「ローテクノロジーレース」「退屈な左回りのオーバルレース」「アメリカ人にしか理解できない独特のレース」「エンターテイメント性を追求するがために真剣さを感じられないレース」「マーケット人口が2倍だから成り立つレース」など、様々な誤解や認識不足があるのも事実です。NASCAR
「アメリカンモータースポーツは日本に根付かない」こんな声もよく聞きます。日本で唯一の大きなアメリカンモータースポーツイベントであるインディカーの「インディジャパン」も今年限りの開催になることが発表されました。
しかし、今のこの時代だからこそ、巨大スポーツエンターテイメントとして成り立っているNASCARから日本のモータースポーツ界が学ぶべき事はまだまだあるのではないか、とNASCAR「デイトナ500」を通じて再認識した次第です。読者の皆さんにもこの記事をきっかけに「新しい価値観」としてアメリカンモータースポーツを見て、興味をもって頂ければ嬉しいです。
【NASCARのテレビ放送】
CS放送「G+」
放送スケジュール
【福山英朗さんと行こうNASCAR観戦ツアー】
次回は5月末のシャーロット(ノースカロライナ州)
案内サイト
【NASCAR公式サイト】
NASCAR.COM (英語)