個人向け国債 金利の推移
グラフは、これまでに発行された変動10年と固定5年の金利の推移です。変動10年は発行時の金利を示しています。発行以来、最高が1.5%(固定5年/2006年夏)ですので、ずっと低金利レベルにあると言えます。
固定3年も含めた金利の推移はこちらの表をご覧ください。
(以下の文中では、「債券」は一般の国債を指します。個人向け国債については「個人向け国債」と表記します)
2006年、景気が回復してきて、長らく続いた量的緩和政策とゼロ金利政策が解除され、これから金利は上がっていくと予想されました。景気が回復してくると投資活動が活発になり、債券などの安全資産よりも、株式などにお金が集まります。債券は、それなりに高い金利を付けないと売れにくくなってしまいます。そのため、景気が良くなってくると債券の金利は高くなります。
2007年夏には、個人向け国債・固定5年の金利が過去最高の1.50%をつけました。ところが、その直後、アメリカのサブプライムローン問題が表面化します。そして2008年秋にはリーマン・ショックで株価は下落。景気は急速に冷え込み、投資資金は株式市場よりも安全資産のほうに集まり、債券がたくさん買われるようになりました。債券の買い手が多くなると、需要と供給の関係から、債券価格は上昇します。債券価格が上昇すると、債券の金利は低下します。一般の国債の金利が下がったため、個人向け国債の金利も下がっていきました。
その後、2011年の震災を経て、2012年末の安倍政権誕生。2013年終盤はアベノミクス効果で株価が上がりましたが、その後再び下落。2014年6月現在、再び上昇傾向にあるようですが、これが本物の株価上昇局面入りなのか、一時的な弱いものなのか、さまざまな予測・意見が飛び交っています。景気の動向によって、これまでずっと低かった個人向け国債の金利にも変化が出てくるかもしれません。
●どのタイプの個人向け国債を選んだらよいのかは、「個人向け国債とは?定期預金とどう違う?」もぜひご覧ください。
●債券の価格と金利の関係については、少し古い記事ですが、「『長期金利が低下』このニュース、意味わかる?」をご覧ください。金利はどう決まるのかについて解説しています。