ファインダーの見やすさがわかる「ファインダー倍率」
ファインダー倍率とは、ファインダー内がどれほど広いかの目安となる数字である。原則として50mmレンズを装着したときに、被写体がどのように見えるかを基準としている。ファインダー倍率が高くなれば、それだけ見やすいファインダーということになるが……。
ファインダーが広ければ(ファインダー倍率の数字が大きければ)、より見やすいファインダーであり、ピントが合わせやすいといえる。
ファインダー倍率が1であるとき、裸眼で被写体を見たときと同じとされている。
フォーマットによって異なる実際のファインダー倍率
ただし、デジタル一眼カメラの場合はフォーマットによって撮像素子の大きさが異なっており、一概にファインダー倍率の数字だけでファインダー内の広さを推し量ることはできない。たとえばEOS 5D MkIIのファインダー倍率は約0.71倍。一方でE-620のファインダー倍率は約0.96倍となっている。
ファインダー倍率だけを見るとE-620のほうが広いように思えるが、実際にファインダーを覗いてみるとE-620のほうが狭く感じる。
これはE-620はフォーサーズという規格に準拠しており、EOS 5D MkIIと比較したときに撮像素子の大きさが面積比で半分以下であるためだ。
ファインダー倍率を一律の数字で比較しようとする場合、それぞれの機種でレンズを35mm換算にするときにかける数字で、ファインダー倍率を割ればよい。
つまり、以下のようになる。
フルサイズ機 1.0
キヤノンAPS-H 1.3
ニコン/ソニー/ペンタックス APS-C 1.5
キヤノンAPSーC 1.6
シグマ SDシリーズ 1.7
フォーサーズ/マイクロフォーサーズ 2.0
この数式に従えばEOS 5D MkIIはそのまま約0.71倍となるが、E-620は約0.96÷2で約0.48倍となるというわけだ。
ファインダー倍率を高くするためには高価な部材が必要となり、さらには機構的にも大きくなり、重量がかさんでしまう。そのため、軽量さが求められるエントリークラスのデジタル一眼ではファインダー倍率は低く抑えられることが多い。