音質重視の設計がうれしい
メモリーAVナビというと、コストダウンのために音質まで手が回らないモデルがほとんどだが、MDV-727DTはナビ部とオーディオ部を分離した無干渉セパレートシャーシや、独立中点回路システム、オリジナルコンデンサなど、音質を重視した設計だ。DSPを内蔵し、タイムアライメント、クロスオーバー、イコライザーの調整も可能。プリアウトを装備しているので、外部パワーアンプの増設もできる。しかも、外部アンプ増設時に内蔵アンプへの電力供給をカットして、より安定した音楽再生が可能なアンプデリートサーキットも搭載する。
逆チルト機能はダッシュパネルの傾斜がきついクルマに有利
逆チルト機能も、ケンウッドナビならではの機能だ。逆チルトとは、画面の上部が手前に倒れるように角度調整できる機能。一般的なAVナビは、画面下部が手前にせり出す方向の角度調整ができるが、ケンウッドのような逆チルト機能はない。この逆チルトが役立つのは、ダッシュパネルの傾斜がきついクルマ。デモカーのプジョー3008がまさにそうで、標準の角度では外光反射で画面が見えにくい。ところが、チルトを−1に設定することで、見えにくさは解決。ドライビングポジションで、画面がくっきりと見えるのだ。
地図更新が低コスト
さて、カーナビの地図更新にはコストがかかるものだが、新しい地図更新サービスプログラムを用意したのも、MDV-727DTの特徴だ。実はこのMDV-727DTは、マップファンでおなじみのインクリメントPの地図データを採用しているのだが、従来のバージョンアップキット約1回分の料金で最長5年間の最新地図更新が可能な「KENWOOD MapFan Club」というサービスをスタートしたのだ。この「KENWOOD MapFan Club」には「ケータイMapFanコース」と「PC MapFan.netコース」のふたつがあり、たとえばケータイMapFanコースなら月額315円。これを12ヶ月以上利用すれば、ブロードバンドのインターネットに接続されたパソコンで、MDV-727DTの更新地図データを無償ダウンロードできる。これをSDカードでMDV-727DTに読み込ませると、最新の地図データに更新できるというわけだ。315円×12ヶ月だから1年の負担は3,780円。5年間でも18,900円ですむ。従来のケンウッドナビの地図データ更新は2万円以上だったから、MDV-727DTの5年分の地図更新が、従来の1年分よりも安いのだ。しかもケータイMapFanも使えるわけだから、地図更新は実質、無料に等しい。
ナビもAVも魅力満載
提供される更新地図データは年1回。差分更新に対応していないので、随時、新しい地図が手に入るわけではないというあたりが少々残念な部分ではあるが、これまでは高コストだった地図データの更新が、だんぜん低コストでできるようになったという点は、ユーザーにとってありがたい。AVナビは、カーナビであると同時にAV機器でもある。しかも一般的なドライバーなら、カーナビとして使用している時間よりも、AV機器として使用している時間のほうが、圧倒的に長いと思う。そんなユーザーに対して、映像がきれいで音質も上々、かつナビは高速レスポンスで快適に使えて地図更新も安いMDV-727DTは、魅力的なモデルだと思う。
エコドライブ機能も搭載
