一橋大学は社会科学系大学としては、最も古い大学だ。1875年(明治8年)8月、初代米国代理公使であった森有礼が、東京銀座尾張町に「商法講習所」を私設したのに始まる。商業界に大きな影響力を持っているが、どこか地味な大学というイメージを抱いている人が多いのではないだろうか。その内実を確認すると、すぐれた教育体制を敷いている。具体的にはどこがすぐれているのか、紹介していこう。

理想的な少数精鋭教育

キャンパスのある東京・国立は自然環境に恵まれている。32万平米の広大な敷地に一度足を踏み入れると、野鳥のさえずりと豊かな自然の姿に驚かされるだろう

キャンパスのある東京・国立は自然環境に恵まれている。32万平米の広大な敷地に一度足を踏み入れると、野鳥のさえずりと豊かな自然の姿に驚かされるだろう

教育環境を計る指数の一つが、教員1人当たりの生徒数だ。マンモス私立大学では、およそ教員1人当たりの学生数は30~50人とかなり多い。大学に入ってみたけれど、授業では大教室での授業、食堂もいっぱい……など入学後の不満をよく耳にする。

一橋大学は日本で始めてゼミナール制を導入したことで知られており、必修ゼミでは、教員1人当たりの学生数は10~15人と理想的な環境にある。日本の私立大学は、大学運営費のほとんどを学生からの授業料に頼らざるを得ず、どうしても学生を多く入学させる必要がある。一方、国公立大は、国からの補助によって補填しているので、このような理想的な環境が可能だ。

加えて一般的な大学では、学部間を越えての講座をとることはなかなか困難だが、商学部、経済学部、法学部、社会学部で開設されている授業を学部の垣根を越えて、自由に履修できるのも魅力の一つといえるだろう。