梅や桜も美しい 庭園の美しい美術館
美術館は芸術作品だけでなく、カフェや建物、そして敷地全体を楽しめる場所。美しい庭園を持つ美術館も少なくありません。四季折々の情緒を楽しめる、庭園の美しい美術館を、北から順にご紹介します!INDEX
(1) 本間美術館(山形県)
(2) ヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡県)
(3) 安曇野ちひろ美術館(長野県)
(4) 重森三玲庭園美術館(京都府)
(5) 足立美術館(島根県)
(6) おすすめ庭園美術館 東日本編 / 西日本編
本間美術館(山形県)
~豪商が作り上げた江戸時代から続く名庭園
江戸時代からの庄内地方の名家、本間家。日本一の大地主とも言われているこの家の別荘をもとに作られたのが本間美術館。美術館の敷地は庭園も含めると、なんと2万平方メートル。江戸時代に作庭された庭園である鶴舞園は池の周囲を散策しながら景観の変化を楽しめる、廻遊式庭園と呼ばれる様式。白つづじが咲く春から、青々と緑が繁る夏、紅葉の秋、そして雪景色の冬と、常に美しいたたずまいを見せてくれる場所です。
美術館本館、清遠閣の建造は1813年。庄内藩主が立ち寄る場所として作られ、その後も時の要人をお迎えするための改装が行われてきました。反り返し屋根の玄関から、手漉きのガラス窓に天井のシャンデリア、金箔を拭いた壁紙など、随所に趣向が凝らされています。清遠閣から眺める鶴舞園もまた格別な美しさです。
1968年に建設された新館では、円山応挙『高士像』や伊藤若冲『布袋図』など、本間家に代々伝わる作品群のほか、江戸時代から明治にいたるまでのひな人形、古典人形のコレクションを収蔵。とくにひな人形のコレクションは、非常に充実しており、毎年ひな祭りの時期に開催される古典人形展には、全国各地から多くの人々が訪れています。
江戸時代の画家岸駒(がんく)の『猛虎図』も本間美術館の所蔵。リアリティ溢れる画風が特徴で、特に虎といえば岸駒と呼ばれるほど、虎の絵を得意としていた大人気画家でした。
歴史ある美術館は、古い作品の保管だけでなく、新しい文化も生み出しています。約50年前、敷地内の窯で生まれた本間焼(楽焼)は、新しい山形の工芸品として各地で注目されています。
庭園、本館、新館。どちらもじっくりと観賞に浸れる場所です。時間に余裕を持った訪問をおすすめします。
<DATA>
住所:山形県酒田市御成町7-7
TEL:0234-24-4311
開館時間:4月~6月、9月~10月:9:00~17:00
7月:9:00~19:00
8月:9:00~18:30
11月~3月:9:00~16:30
(入館は閉館の30分前まで)
休館日:12月~2月の火・水曜(祝日の場合はその翌日)、年末年始、展示替期間
公式サイト