理由はメガバンクの再編、顧客の二極化
各社がこぞって新世代プラチナカードの発行に走っている理由は、メガバンク中心に行われてきた再編が一段落したことがあります。これを機会に、銀行はグループ内のカード会社を使って、優良顧客の囲い込みを行おうとしているのです。
それを後押しするのが改正貸金業法と改正割賦販売法によって導入された総量規制で、利用者は年収に応じて利用金額を厳しく規定されるようになりました。この結果、専業主婦のキャッシングが難しくなるなど、年収300万円以下の人たちは様々な規制を受けることになっています。その一方で30代、40代で年収700万円以上のプチ富裕層は、ほとんど規制を受けることなく、これまで通りの優雅なカードライフを保証されています。下流の人たちに期待できなくなったカード会社は、このプチ富裕層に原資を集中する体制を取り始めており、その現れが今回のプラチナカードのリニューアル、新規発行なのです。
しかし、問題は、ハードルを下げたものの果たしてプチ富裕層の心を掴んでブーム化できるかどうかでしょう。申し込み制にすることで誰でもトライできるようになったので、世間の関心は高まるでしょうが、一方で、ステータスが毀損されると恐れる声があります。厳選された人だけを招待して一定のレベルを保つという基本を忘れた暴挙とみる人もあり、この問題はまだまだ後をひきそうです。
「進化するステータス プレミアムクレジットカード特集」(日経ビジネスオンライン)