最近、クレジットカード会社から、「カード番号を変更してください」という連絡を受けるケースが増えているようです。カード番号の変更は、カードの再発行を意味します。ユーザーにとっては大きな負担になりますが、なぜ、カード会社は変更を求めるのでしょうか。そして、その際、ユーザーはどう対応すればよいのでしょうか。
クレジットカード番号の変更を求められたら?

クレジットカード番号の変更を求められたら?

 

カード情報の不正流出による被害は過去最高に

カード会社が、カード番号変更を求める理由として最も多いのが、「カード情報が第三者に流出している可能性がある」場合です。ユーザーのカードの利用履歴から、本人以外の第三者に不正に利用されている、と判断される買い物などが見つかった場合、カード情報の流出が疑われます。
 
したがって、カード情報の変更が必要なケースが増えているということは、すなわち、カード情報の不正流出の増加が考えられます。実際、それを裏付けるデータがあります。日本クレジット協会が先日発表した、『クレジットカード不正利用被害額の発生状況』によると、2021年の年間の不正利用額は約330億円に達し、そのうち約94%にあたる約312億円が番号盗用によるものでした。
 
番号盗用とは、他人のカード番号や有効期限などを盗み、本人に成り済まして利用するという不正です。なお、年間の被害額の合計および番号盗用による被害額は、1997年の統計開始以降では過去最悪となっています。
 

カード犯罪の主流となった『フィッシング』とは?

では、なぜ番号盗用が増加しているのでしょうか。それは、現在カード犯罪において、『フィッシング』が主流となっているからです。フィッシングとは、メールやショートメッセージなどを送って、ユーザーを偽装したサイトに誘導し、そこでカード番号やパスワードといった個人情報を入力させて盗む、という手口です。「ユーザーを釣る」という意味で、フィッシングと言われています。
 
すでに、そうしたカード会社や金融機関を装ったメールやショートメッセージを、目にしている人も多いでしょう。「○○○カードを装う不審なメールにご注意ください」とか、「カード情報が第三者に流出している可能性があるお客さまへ」といった、不正利用に対する注意喚起を装っているメールが、実はフィッシング詐欺のメールだったりするなど、非常に手が込んでいます。うっかり、そうしたメールに記載されているURLをクリックしてしまうと、ニセのサイトに誘導されてしまいます。そこでカード番号を入力すると、データが盗まれてしまうわけです。
 

カードの補償期限には要注意

したがって、再発行のお願いが来た場合は、速やかに手続きをとってください。放置をしておくと、カードが利用停止になったり、不正利用による被害が補償されないケースが出てきます。
 
原則、カードが不正利用されても補償が適用されます。ユーザーが不正利用を把握した段階でカード会社に連絡をすれば、本人の故意または重大な過失がなければ、連絡した日から60日前までさかのぼって、被害の全額が補償されることになっています。そのためフィッシング詐欺に遭ってしまっても、期限内にカード会社に連絡をすれば、大抵の場合、補償されるようです。しかし、61日を過ぎると補償はされません。
 

シンプルだが効果がある対策は

ただ、カードを再発行してもらうことになると、発行手数料がかかったり、公共料金の引き落としに登録していたりすると、その番号も変更しなければなりません。かなり面倒なことになります。そのためにも、フィッシング詐欺への対策は大事。気を付けるべき点は、以下の2点です。
 
(1)メールのURLはクリックしない
URLのクリックを求めてくるメールやURLは一切無視をすること。カード会社も、昨今の状況を踏まえ、そうしたメールを送るケースは激減しています。毎月の利用金額などは、メールに表記して、クリックさせることはなくなってきました。どうしても気になる場合は、クレジットカードのスマホのアプリから入って、そこから、メールや電話などで直接問い合わせをしてみましょう。
 
(2)利用明細の確認
最低でも、2週間に1回、カードの利用明細を確認すること。そこで、不正利用がないかどうかをチェックし、怪しいものを発見したときには、速やかにカード会社に連絡をしましょう。最近では、1000円未満の少額の不正利用も登場しています。数カ月にわたって引き落とされて、過去の分は補償されなかったケースがあるようです。月1回のチェックでは見落とす可能性があり、2週間に1度は確認してみましょう。最近は、スマホで簡単にチェックできます。
 
フィッシング詐欺は、年々、手口が高度になっています。サーバーにハッキングをして、正式なURLを入力したにもかかわらず、ニセのURLに転送されてしまう、という手口も報告されています(これは「ファーミング」と呼ばれます)。ますます巧妙化しているのです。ユーザーができる対策は限られていますが、上記の2点を行うだけでも、十分な効果があるはずです。

参考資料
・日本クレジットカード協会
クレジットカード不正利用被害額の発生状況
https://www.j-credit.or.jp/information/statistics/download/toukei_03_g_220331.pdf


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