シングルマザーの多いメキシコ

カトリックの家族行事

家族で集まってカトリックの行事、三賢者の日にロスカというパンを切り分ける風景。メキシコには宗教と関わりの深い家族行事がたくさんある。©Miho Nagaya

メキシコの離婚率は13%とそれほど高くないのですが、子どもができても父親が認知をしないケースが多く、カトリックの教義上、望まないパートナーとの間の子どもであっても、中絶は御法度という考えがあることから、国全体で約450万人のシングルマザーがいるというデータがあります。メキシコの貧困地域の男性たちが、妻子をメキシコに残したまま、仕事を求めて、アメリカへ不法で移民してしまい、そのまま戻ってこないケースが多いこともシングルマザー率の増加の原因となっています。

シングルマザーが多いメキシコですが、たとえ父親がいなくても、母親ひとりに育児や家計の負担がかからないように、両親や兄弟だけでなく、親戚全体で助け合って子どもを育てて行きます。子どもも多くの家族に囲まれ、寂しい思いをしないで過ごせます。こういうところは、ラテン系家族社会の素晴らしい部分だと思います。
 

メキシコにはイクメンはいない!? やっぱり母は偉大!

メキシコの母、褐色のマリア、グアダルーぺ

メキシコの母、褐色のマリア、グアダルーぺ ©Miho Nagaya

メキシコの子育ては女性中心なのが現状。周りから強くて素敵な母親の話はよく聞きますが、残念ながら父親のいい話はあまり聞かないので、この国の「イクメン」率は低いと思います。というのも、この国にはマチズモ(男性優位主義)思想が蔓延していて、未だに社会全体に家事や子育ては女性がやるものという意識があり、料理ができる男性もびっくりするほど少ないのです! じゃあ、女性が家を守っているあいだ、男性はなにをしているかって? 別の女性のお尻を追っかけているか、お酒を呑んでいます……というのは言い過ぎですが、そういう人が多いのは確かです。メキシコの男性諸君には、育児に積極的に協力し、子どものお弁当まで作る日本のイクメンを見習ってほしいものです。

そんなわけで、メキシコの母の日には、子どもたちが日頃の感謝の気持ちを表すため、母親をレストランの豪華な食事に招待し、高額なものを惜しみなくプレゼントします。母の日周辺になるとデパートやレストランは大混雑。道も渋滞するほどです。しかし、それに比べて父の日がまったく盛大に祝われないのは何か皮肉な感じがします。表面上はマチズモの思想が根強いメキシコですが、褐色の聖母マリア、グアダルーペをシンボルとする国だけあって、母は偉大ということですね。



【INDEX】
上海
韓国
ニューヨーク
フランス
メキシコ
トルコ


>> 特集トップへ戻る

 

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。