階級社会メキシコの出産事情は……?

母子

母と子の絆が非常に深いメキシコ ©Karla Plascencia Valencia

日本から遠く離れた中南米の国、メキシコ。出産事情も日本とだいぶ異なると思われがちですが、麻酔を使う無痛分娩が主流で、帝王切開を行う割合も日本よりは多いとはいえ、病院の設備や技術の面で極端に違いがあるわけではありません。

ただメキシコは世界トップクラスの階級社会の国。その人の経済状況によって出産の費用も変わってくるので、いちがいに平均予算を出すのは難しいところ。

メキシコでは国民が無料で医療を受けられる制度があり、本来であれば出産に費用はかかりません。しかし、医療制度が保証されていても、指定病院が非常に混雑するので診察を後回しにされたり、研修医が多く、信頼性に欠けると思われているようで、中流階級以上となると、自費で私立の病院にかかる場合が多いです。その場合、診察や入院費用も含めて日本円にして総額20~30万円くらいかかると言われています。
 

ベビーシャワーは出産前の定番イベント

出産前の習慣で代表的なイベントは、ベビーシャワー。これはアメリカ文化の影響で、メキシコならではの行事ではありませんが、メキシコではたいてい行われます。臨月の女性の友人や家族が集まるパーティで、参加できるのは女性のみ。出産予定の女性の近い友人や家族たちが当人には内緒で企画して、サプライズでパーティを開きます。会場で食事やゲームをして楽しんだあとに、これから生まれてくる赤ちゃんのための育児グッズを出席者からプレゼントします。ベビーカーからベッド、洋服、哺乳瓶にいたるまで大量のプレゼントなので、産後は何も買う必要がないほど。
 

カトリックの国ならではのメキシコの習慣

洗礼

祭司が聖水を乳児の頭にかけている洗礼の儀式の風景 
©Karla Plascencia Valencia

産後のメキシコらしい習慣としては、生まれてきたのが男の子だったら割礼、女の子だったら耳にピアスの穴を空けるとされていますが、これは両親の考え方によるもので、やらなければいけないというものではありません。

またメキシコは国民の90%がカトリック教徒の国なので、育児には、宗教色が濃い行事が関わってきます。生後数ヶ月(ケースによってはもっと大きくなってから)で、子どもの洗礼の儀式が教会で行われます。これは、人間が生まれもっている原罪を浄化する意味合いがあり、祭司が聖水を子どもの頭部に柄杓のようなもので注ぎます。

その儀式には、子どもの両親と、その家族や近い友人のなかから選ばれたパドリーノ(代理父親)とマドリーナ(代理母親)が立ち会うのですが、パドリーノとマドリーナは生まれた子の親ではないけれども、生涯をかけてその子どもの面倒をみる人物となります。


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