ビジネススクールの授業
ビジネススクールでは、朝起きて学校に行くまでは一般的な大学生と同じなので。しかし、授業の進め方、周りの学生との関係、授業以外での時間の過ごし方が異なったものになります。まず、「答えのない問題」を考える時間が増えること。例えば、高校や大学の数学の時間を思い出してもらうと、あなたが学校で学ぶことは数学など正しい解法がある科目が中心です。しかしながら、ビジネススクールでは、正解がない問題がほとんど。そのため、授業も正解を求めるものにはならないのです。
例えば、マーケティングの授業を考えてみましょう。ある授業で、「ビールを売るためにマーケティング戦略を考える」を取り上げたとします。この授業においては、ビールの特徴、ビールを購入するターゲット層を決める、ビール価格を最適に決めるなど、マーケティングを応用し、より良いと考えられる答えを出すために必要なことを学びます。しかしながら、ビールが多く売れることを常に成功する公式など存在しません。言い換えると、授業を行っている先生も、答えが必ずしも分からない問題を教えています。マーケティングの知識として、同様の状況に置かれた過去の会社を分析し、成功する確率が高いであろうということを教えているに過ぎないのです。
また、周りの学生があなたの先生です。ビジネススクールでは、学生の年齢も23歳くらいから50歳を超えている人もいます。多くの経験を積んでいるため、生徒からも多くのことを学ぶことができるのです。ビジネススクールも、ビジネスに唯一の解はなく、学生がある分野においては先生より詳しいことを十分理解しています。授業を討論形式にし、先生からだけでなく生徒同士で学ぶ形式になっています。
グループ学習
授業のコマ数は週に8~15コマ程度と大学時代とさほど変わらないのですが、授業が終わってもバイトをする余裕がないのが大学時代と異なります。ビジネススクールの授業では、授業にだけ出て(時には出なくても)テストに備えることはできません。授業後に学生間でグループをつくって学ぶグループワークも組み込まれ、授業以外も忙しくなります。こうしたグループワークが成立するのは、生徒のビジネス経験。グループ学習を通じてあなたが学ぶ部分が大きくあるのです。当然あなたも自らの知識を利用してグループに貢献することが望まれています。予習と復習
大学時代に一生懸命勉強をしている場合でも、ビジネススクールで必要とされる予習復習の量は大学時代の勉強量を大きく超えます。理由は学生が必死に多くを学ぼうとしていて、先生もそれに答えようとしていること。多くのビジネススクールの学生は(企業派遣を除く)、前職を辞め、給与が支払われず、学費を払ってまで学びに来ているので、少しでも多くのことをビジネススクールで学ぼうと必死です。応えるべく教授陣も多くの課題を出します。さらにビジネスにおいて学ぶことには正解がないため、過去の企業が行った行動を広範に研究していく必要があるのです。そのため、予習する量も上限を決め難く、多くの考えが議論される授業の復習も膨大になります。
では、こうした忙しさはビジネススクール生活を通じて続くのでしょうか? 2年制のビジネススクールの場合、1年目は必修が中心で1年間を通じて忙しい時間が続きます(1年制のビジネススクールでは期間が短いにもかかわらず学ぶべきことが多いので、学校生活を通じ忙しさが継続します)。2年目からは、選択科目が多くなり負荷は減ります。しかしながら、負荷が軽くなるのは学業生活に関わるところのみです。全日制の学生の場合、卒業後の就職活動が2年目に行われるので、新しい忙しさが加わります。