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「アーティスト=変な人」の思い込みを捨ててみる(3ページ目)

つかみどころの無い相手に対して、「芸術家タイプだね」と言ったことはありませんか? 芸術に携わる人はそんなに一般社会とかけ離れた存在なのでしょうか? また美術館に行くことは日常からかけ離れたこと? 森美術館で個展が開かれている小谷元彦さんにインタビューしてみました。

執筆者:All About 編集部


作家自身がみる森美術館『小谷元彦展:幽体の知覚』

展覧会あける前くらいから、彫刻の捉え方がもっとはっきりしてきたし、違う風景も見えたし、このまま終わるとまずいと思っていました。またああいう大きな空間でやると山椒魚のように出られなくなりそう。自分の身体がでかくなりすぎて、今後作品プランとか思いついても、小さいところでやれるのかちょっと不安があります。けれど、仕事なので頑張らねばならないですね(笑)

今回の展覧会のように、ここまでひらいてレイヤー状に見せないと自分のやっていることって、そんな簡単に分かることじゃなかったのか、というのはありました。自分ではある意識を持って展開していました。自覚的にやっていなかったら、それはもう馬鹿ですよね。僕が持っている本とかDVDとか、色々あるんですけど、amazonの単純なアルゴリズムのオススメみたいな繋がりでは無い部分で首尾一貫しているもんです。
小谷元彦『インフェルノ』

《Inferno》 2008-10年 ビデオ・インスタレーション:8面同期ハイビジョン・ビデオ・プロジェクション、4.1chサラウンド・サウンド 556×φ610 cm、5分37秒(ループ) 作家蔵 サウンド:高嶋 啓 制作協力:ステッチ、マックレイ 撮影:木奥恵三 写真提供:森美術館


今回の展覧会では、複雑に見せている階層を紐解いて見せることができたと思っていますが、不満もあるんです。例えれば、僕の脳内の深い部分を見せることができたと思えなくて、入り口の部分がうまくできたというだけなんですよね。

今後、より複雑化していったとしても、初見で出会う作品のインパクト、これを僕は事故性といっているんですけれど、それはあんまり変わらないと思うんです。人と出会うっていうのと一緒ですよね。それによって、人生の意識が変革することもありますし、そういうのができればと思っています。


今後の小谷さんが何を見せてくれるのか、それは次の展覧会までのお楽しみ。そんな小谷さんのオフの楽しみは?>

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