株・株式投資

IT業界の重鎮、真田哲弥の頭の中(2)~運を掴む方法~(2ページ目)

前回の記事に引き続き、IT業界の重鎮と呼ばれる真田哲弥氏に話を伺う。彼はKLab株式会社の代表取締役社長である。多くの事業を成功に導いた彼の頭の中はどうなっているのだろうか。直接取材を決行し、その理由を探ってみた。

川崎 さちえ

執筆者:川崎 さちえ

フリマアプリ・ネットオークションガイド

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事業計画書なんていらない 

ガイド:リスクについては?

真田氏:もちろん考えますけど、事を起こす前にリスクを想定したってどうせ的外れで…。その時点で想定しうるリスクに身構えてしまうと何もできなくなってしまいますね。
「何をやるかうよりも誰とやるか、何をやるかよりも誰がやるか」

「何をやるかよりも誰とやるか、何をやるかよりも誰がやるか」

起業の相談を受けたり、大学に無償で講演にいったりしますが、常に言うことは「『何をやるか』よりも『誰とやるか』で、『何をやるか』よりも『誰がやるか』」ということです。
極論を言えば、事業計画とかはどうでもいいんです。事業計画は素晴らしいけど、成功しないケースはいくらでもありますが、事業計画がメチャクチャだけどとにかくスタートしてしまって、でも成功したころには最初の頃とは全然違うビジネスモデルになっているなんてことはいくらでもあるんです。

ガイド:ということは、計画通りにはなかなかいかないと・・・。

真田氏:実際に事業をスタートさせると、計画通りに行くことはほとんどありません。だから実体に合わせて臨機応変に修正をしていく能力の方が初期の計画より大切なんです。そうやって改善に改善を重ねていくと、気がついたら初期計画とは全く別物に辿り着いているもんです。
スタートしたけどうまくいかない。でも、そこでもがいて、もがいて、食うためにたまたまやった本業外のことが成功し、いつしかそれが本業になるというケースもあります。だから事業計画は重要ではないんです。その人だから成功したのであって、その事業だから成功したのではないというケースの方が多いですから。
一方で、経営者に実力はないけど事業計画がたまたま時流に乗ってラッキーで成功したケースもあります。もちろん両方が重なったのは最強です。たとえば、マイクロソフトやアップルは、要素事業内容そのものの素晴らしさとリーダーの意思と能力の両方が重なったレアケースだと思います。

「誰とやるのか」を考える

ガイド:「誰とやるか?」というのは?

真田氏:リーダーがいても一人でやることはできないので、創業時の中心メンバーの能力次第だと思いますね。

ガイド:一方で、「誰とやらないか?」という選択も必要だと言われたことがあります。ビジネスも同じで「何をやらないか?」を考えてそぎ落としていくと。

真田氏:その考えも正しいと思います。ただ僕としては、「誰とやるか」を考えるタイプですね。光輝く才能を持った人間はめったにいないので、そういう人を見つけただけですぐに何かを始めますよ。100万人に1人くらいの割合だと思うのですが、ただ僕はそういう人とよく出会います。

ガイド:それはどういう人なんですか?
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