「金貸し」として見れば違法な高金利
利用者の立場から見れば、一旦現金を手にしても後でクレジットカード会社に返済するので、お金を借りることと何も違いはありません。そして、違法なほどの高金利です。ちょっと考えてみましょう。クレジットカードで購入してから返済日までを1ヶ月と仮定します。換金率が95%の場合、9万5000円を手にしても、1ヶ月後には10万円を返さなくてはなりません。この場合、月利が約5%で、年利換算すると60%もの金利に。
換金率が75%だった場合は、7万5000円を手にして1ヶ月後に10万円返済となり、月利はなんと33%、年利換算では約400%にもなる暴利です。しかし、今のところクレジットカード枠現金化は「貸金業」として認定されていないため、取り締まる法律はありません。
政府が貸金業認定を検討へ
このような違法の疑いもあるビジネスについて、政府は貸金業として認定することを検討し始めています。クレジットカード現金化業者が貸金業者として認定されれば、まず開業にあたって登録が義務づけられることになります。これだけでも乱立することを防ぐことが可能です。そして貸金業として認定されれば、現在出資法で定められている上限金利である、20%を超えるような実質金利設定ができなくなります。
普通のキャッシュバックとどう区別するか?
ただし、その実現には問題もあることでしょう。例えば、現在行われているキャッシュバック方式の現金化ビジネスを、本当に「貸金業」として定義できるのかが問題です。一般の小売店で行われている、普通のキャッシュバックとはどのように区別するのでしょうか?小売店で一般的に行われているキャッシュバックサービスは、購入代金の数パーセント程度をバックするサービスです。例えば、1万円の買い物をしたら5%の500円をキャッシュバックするなどです。単純に「キャッシュバックしたら貸金業」と定義したら、これらも貸金業になってしまいます。
そこで区別をするために考えられる方法としては、一定割合以上のキャッシュバックを規制することです。これまでお話したように、クレジットカード現金化ビジネスのキャッシュバック率は、75~95%と異常に高くなっています。
そのように高い比率の場合「貸金業」認定する方法がありますが、どの程度高ければ「貸金業」になるのか? それを考えなくてはいけません。
キャッシングの方が良い
普通にクレジットカードのキャッシングで現金を調達すれば、利子は法定金利である年20%以下になります。クレジットカードの現金化を使うよりも、キャッシングの方がずっと正常です。いずれにしても何らかの対策が打たれることを望みます。