扁桃炎の治療
ウイルスが原因の場合は、単純ヘルペスを除いて特効薬がありませんので、抗生剤を使用せずに、症状に応じた治療を行います。単純ヘルペスの場合は、水疱瘡と同じ薬アシクロビル(ゾビラックス)、バラシクロビル(バルトレックス)などがあります。
EBウイルスが原因の場合は、「伝染性単核症」と言い、肝炎や肝臓が腫れたり、発熱が持続することがあります。
発熱に対しては、解熱剤、関節痛には痛み止めの内服および湿布薬などを使います。
細菌が原因なら抗生剤による治療が行われます
細菌の中でも、溶血性連鎖球菌(溶連菌)では、15分程度で判る迅速検査があります。
…溶連菌感染症(急性咽頭炎・リウマチ熱)
溶連菌による扁桃炎の場合は、除菌が望ましいです。治療としてはペニシリン系抗生剤を10日間かセフェム系抗生剤を5日間使います。というのも溶連菌感染の合併症として、下記の3つがあります。
■急性糸球体腎炎
急に体むくみ、尿が出なくなったり、血尿や蛋白尿が出ます。塩分制限にして、安静にしくおく必要があります。
■アレルギー性紫斑病
下肢に打ってもいないので、出た出血班や関節痛、腹痛を起こす病気。原因不明ですが、一部溶連菌が関与しています。血管の炎症です。
■リウマチ熱
発熱と関節痛があって、湿疹や皮下に結節と言うしこりを触れる事もあります。心臓への影響が重大で、心臓そのもの炎症である心炎、心臓の中にある弁の異常を起こします。舞踏病と言って、字が下手になったり、歩きにくくなったり、箸がもてなくなります。
このような合併症を防ぐためには、抗生剤治療を溶連菌感染には望ましく、再発がある場合は、抗生剤を長期に、ペニシリン系抗生剤をなら10日間かセフェム系抗生剤を10日間を使用します。
ヘルペスの治療については、水疱瘡と似ていますので、水疱瘡の治療・予防を参考にしてください。
さらに、扁桃炎を月に1回起こす病気の中に、反復性扁桃炎、PFAPA症候群(Periodic Fever with Aphtous Pharingitis and Adenitis:アフタ性口内炎と咽頭炎を伴う周期的な発熱という意味です)などの病気があります。この扁桃炎では抗菌薬などの効果に乏しく、ステロイド治療や扁桃切除術が行われることがあります。