緑と風、光と虹…宇田川町の秘密の中庭
テラス席にゆったりソファ。あしらった緑の可憐さに見惚れました。
そこには確かな世界観に基づく気持ちのいい小宇宙が構築され、くつろいで過ごしているうちに、ふっと、いつもとは違う時間へと紛れ込んだような錯覚に陥ります。
植物たちの鉢もオーナーの手作り。
「どの席に座ってもはずれがないよう心がけました」と話してくれたのは、このカフェを共同経営する小山徳道さんと中村和豊さんの二人。
そうなのです、どの一角もじつに居心地よく美しくしつらえられていて、どこに座るべきか迷ってしまうのです。今回はここに座ったから、次に来店したときはあの席に…と、何度でも訪れたくなるのです。
海外で感じた、自然と一体になった空間の気持ちよさを
海外で感じた、自然と一体になった空間の気持ちよさを
中村さんの次のような言葉を聞いたとき、私には光景が鮮やかに見えるような気がしたのでした。
「海外で知人の家にゲストとして招かれると、家中にたくさんのキャンドルをともして迎えてくれる。そんなおもてなしが好きなんです」
あるいは屋台のような素朴なカフェで、風に吹かれて飲んだり食べたりする気持ち良さ。夜になるとオレンジ色の燈火に浮かび上がるメキシコ、サンミゲールの街。
窓に面した大きな白いソファからは、神南小学校前の坂が見えます。