(影響その2)退職金制度に占める確定拠出年金の割合
あなたの会社の退職金・企業年金が401kに一本化されているとは限りません。会社が準備してくれる退職金や企業年金が70%あって、自己責任で運用する401kが30%というように、制度を組み合わせることがよくあります。理屈としていえば、会社が準備してくれる部分が多いとその部分は確実に得られる運用になりますから(例えば確実に2.5%程度運用してもらえると考えられる)、自分で運用する401kでリスクを取って失敗しても退職金全体での影響は少なくなります。
仮に401kが退職金制度の2割分で、最悪の運用で50%マイナスになっても、退職金全体からすれば1割のマイナスですむというわけです。しかし401kのみの会社なら運用が50%マイナスなら退職金そのものも50%マイナスになってしまいます。
こうした401kの割合が「無意識的」にあなたの資産運用方針に影響を与えることがあります。企業年金連合会の分析によれば、401kの割合が高いほど投資比率が高くなる傾向があるそうです。401kの割合が高いと、「自分でしっかり稼がなくちゃ」と考えてしまうのでしょうか。
また、401kの割合が少ない場合(20%以下)も投資割合が高くなるとか。こちらはおそらく「うまく増やして退職金アップを目指そう!失敗しても8割以上は会社が準備してくれるし」という気持ちになっているのでしょう。
自分の運用の方針に401kの割合が影響していないか、考えてみてはいかがでしょうか。
(影響その3)運用商品の本数と投資信託の割合
401kでは運用の選択肢は予め会社が決めて社員に提示します。10本から選べる会社もあれば、20本から選べる会社もあります。このとき、定期預金のように満期までもてば元本+利息をもらえるタイプ(元本確保型という)と、投資信託など価格が毎日変動するタイプがあります。理屈としていえば、商品が10本だろうが20本だろうが、商品リストの中の元本確保型の商品が多かろうが少なかろうが、運用方針の決め方は同じであるはずです。
ところが、「商品の本数に占める投資信託の割合」に私たちの運用方針は影響を受けているということが明らかになっています。元本確保型の商品(定期預金等)がたくさんあるとあまり元本確保型の商品を多く購入し、投資信託の商品数が多いと投資信託を多く購入する傾向があります。