印象派におけるモネ
クロード・モネ 《睡蓮》 1897-1898年 油彩・キャンヴァス 個人蔵
代表的な作品として、1875年に描かれた、『日傘をさす女』や、1890年台から何枚も描かれた『睡蓮』が知られています。晩年は白内障を患ったこともあり、抽象度が高くなっています。
チューブ入りの絵の具の発明から始まった印象派
モネに代表される印象派とは、19世紀後半のフランスにはじまり、フランスを含むヨーロッパやアメリカといった西洋絵画のみならず、日本にまで波及した流派です。印象派絵画の大きな特徴は、光をいかに絵画で表現するかにこだわった点です。そのため、それまでの絵画に比べ、画面が明るく、明確な線での表現が見られなくなってきていることが挙げられます。絵の具は混ぜると黒ずんだ色彩になっていきます。光は混ぜるほど、白く明るくなっていきます。このギャップを埋めるべく、様々な手法が生み出されました。光を掴むために、室内で描かれていた絵画は外で描かれる機会が増えました。
この背景には、チューブ入りの絵の具が手に入れ易くなったこともあることでしょう。それまで、まだ練っていない粉状の顔料を瓶に入れ保存されていた絵の具が、予め油で練られチューブに詰め込まれていることにより、持ち運び易く、適量を出し易くなったのです。
⇒ 絵具チューブの歴史 by 株式会社サクラクレパス(外部リンク)
画家としてはモネ、ドガ、ルノアール、ピサロ、シスレーなどの挙げられます。印象派絵画は、神話や歴史的題材のモチーフではなく、風景画や不特定ともいえる人物の印象画が多いため、キリスト教や西洋の歴史が一般教養として身に付いていなくても、見るだけで好きか嫌いかが分かります。そのため、好きな画家に、印象派の画家を挙げる方も少なくないでしょう。