恵まれた教育環境の中で文武両道を実現している西宮東高校
1963年に開校した市立西宮東高校のまず驚かされるのは恵まれた教育環境である。広大な敷地に体育館、図書館、武道場、大食堂、50mプール、4面のテニスコート、2面のグラウンド、地域にも開放されている東高校ホール(なるお文化ホール)など、その充実度は公立高校では群を抜いている。同校は、教職員の入れ替わりが少ない市立高校という利点(市立は、西宮と西宮東の2校)を活かし、常に一致団結することで、確固たる伝統を築いてきた。
そんな同校の伝統のひとつが、創立期から続けている65分授業。そして、よりゆとりある充実した教育活動を行うためにと他校に先駆け2000年度より2学期制を導入。さらに週5日制を導入した2002年度からは、月曜日を6時限にすることで、授業数が減ったことをカバーしている。
また、競歩大会やマラソン大会などの伝統行事や部活動も活発なのも特徴的だ。甲子園球場に最も近い高校ということでも有名な同校は、全国的にも珍しい一般劇場施設を兼ねた講堂を有し、同校教諭と外部講師陣が登壇する市民講座「木曜講座」を開催している。地域に密着し、地域と共に将来の担い手を育てる高校とも言えるだろう。
西宮市南部のトップ校の西宮東高校
個人の進路、適性にあった充実したコース制
1992年度から始まった校内コースと1987年に設置された「理数コース」を2003年度より改編して新たに設置した「数理・科学コース」、そして2010年度からスタートした新文系コースである「人文・社会科学コース」がある同校。
推薦入試による選抜を実施する「数理・科学コース」と「人文・社会科学コース」は、入学から卒業まで同一コースで学ぶことになる。
「数理・科学コース」は、自然科学に興味・関心をもつ生徒に対し、科学的思考方法や豊かな学力を身につけさせることを目標としており、「人文・社会科学コース」は、人文科学的・社会科学的なものの考え方を深めさせるとともに自己表現力や科学思考力も養い、より豊かな人間性と幅広い教養を身につけさせることを目標としている。
複数志願選抜による一般入試で入学する普通科の生徒は、1年次は、1年間をコース選択や進路選択の準備期間と位置づけて、同一クラス編成であり、2年次に「文1コース」「文2コース」「理科コース」に分かれる。これは、志望・選考指導などによってクラスを決定する。尚、各コースのクラス数は志望者の数に応じている。
「文1コース」は、私大文系志願者を対象とする一般的なコースであり、受験科目に加え、調理栄養・保育実習・音楽総合・スポーツ総合等の多彩な選択科目や第2外国語(中国語または、フランス語)の履修が可能。
「文2コース」は、国公立文科系大学志願者を対象としている。センター試験に対応する数学も履修し、授業レベルも高い。「理科コース」は、理科系大学志願者を対象。理科2科目を必修科目とし、数学と理科の授業時間も多く、高度な内容を展開している。多彩なコースで文武両道の学園生活を謳歌し、難関大学進学を目指す生徒に最適な西宮南部の進学校である。
西宮東高校の大学進学実績
2010年度の主な実績としては、国公立大では京大2名、大阪大5名、神戸大2名など。私立では、上智1名、東京理科1名、同志社20名、立命館22名、関西学院28名、関西47名などとなっている。西宮東高校の入試傾向
入試は推薦が2月15日、一般は、3月12日(2010年度)。一般の入試科目は国・数・英(リスニング含む)・理・社。各50分。合否は、学力検査と内申点の合計点で決定し、学力検査:内申点=5:5。内申は、数理・科学コースが85%、人文・社会科学コースが80%、普通科は、75%以上欲しいところだ。今年は数理・科学コースが募集定員40名に対し、67名が応募、競争率は1.68倍で、人文・社会科学コースが募集定員40名に対し、58名が応募、競争率は1.45倍で、普通が募集定員200名に対し、248名が応募、競争率は1.24倍だった。主な併願先は、男女とも仁川学院等となっている。