長寿食を裏づけるごまの豊富な栄養成分
ごま油は、ごまの抗酸化成分で酸化しにくいのです。
画像提供/株式会社山田製油
そのうちのいくつかをご紹介しますと、まずは油脂成分として、オレイン酸やリノール酸など、動脈硬化予防に役立つといわれる不飽和脂肪酸が脂質全体の8割を締めています。
またメチオニンやトリプトファンなどの必須アミノ酸が含まれ、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ナイアシン・葉酸などのビタミンB群、ビタミンE、そして鉄、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などのミネラルも多く含まれます。
ごま特有の成分としては、「ゴマリグナン」があります。リグナンは、様々な植物にも含まれていますが、ゴマリグナンは、ゴマに含まれているリグナン類の総称です。セサミン、セサモール、セサミノール、セサモリノールなど、ピレノジノールなど、数種類含まれています。
近年はごまに含まれる成分の機能性について科学的な解明が進められ、例えばセサミンの作用として、二日酔い防止や肝機能障害の防止、血中コレステロール低下、血圧上昇の抑制などが報告されています。
昔から美容食としても食されていたのは、若返りのビタミンと言われるビタミンEや、前述のゴマリグナン、フィチン酸など様々な抗酸化成分、便秘から来る肌荒れを改善する食物繊維、不足すると貧血を招く鉄分など、様々な栄養素や成分が豊富なことからと考えられます。
先に紹介したオレイン酸やリノール酸等の不飽和脂肪酸は、時間の経過とともに酸化しますが、こうしたゴマリグナンの抗酸化作用により、酸化し難くしているのです。
他にも、脂質の代謝にビタミンB群が必要であったり、栄養成分はお互いに助け合っています。様々な栄養素が一度にとれるごまは、薬や食料が十分になかった時代には、養生食として果たしてきた役割は大きかったことでしょう。