普通科と演劇科の2学科3コース制で自己教育力を育成する宝塚北高校
宝塚学区のトップ校である宝塚北高校
校訓は、「自律・協調・勤労・創造」。この校訓のもと、「進取・慈愛・健全・行動・学習・自立」の6つの心を培うことで、自ら主体的に学ぶ姿勢や社会の変化や進展に順応できる柔軟な姿勢を持つ人材を育成してきた。生徒が在学中に個々の能力や個性を開花し、さらにそれを伸長させようと努力し、目標に向っていく「自己教育力」をつけさせている。
同校は、学年ごとに普通科6クラス、グローバルサイエンスコースが1クラス、演劇科が1クラスの合計8クラス編成。「普通科」は、すべての教科をバランスよく学習する学科で1年生では芸術以外は全員が共通の科目を履修。2年生からは、文系・理系に分かれ、3年生では、多くの選択科目を設けている。
また、文系では、演劇科の専門科目である「劇表現」や「舞踊」の選択も可能。普通科ながら演劇科の単位が取れるのは同校ならではあろう。「グローバルサイエンスコース(GS)」は、2004年に設置された。それまでの「理数コース」は、数学と理科の学力向上を目的に指導を行ってきたが、より世界的にも通用する理系人を育成しようと、英語教育にも力を注ぐコースに変更した。
GSコースは、3年間で数学が18時間、理科が18時間の合計36時間を理数の時間に費やす。特に理科は実験・実習を数多く取り入れている。英語力については、高校英語を基礎に、1年生の「総合的な学習」の時間でPublic Speakingを指導。さらに2年生の7月にはアメリカのシアトルへ海外研修に行き、最先端技術を建学するだけでなく、実践的な英語力も磨く。これもGSコースだけの取り組みである。
演劇を通して育む人間形成
同校の演劇科は、全国唯一の専門学科であることから、兵庫県全域を対象とすることはもちろんのこと、通学に要する時間が一定の時間以内ならば、県外からの受験も認められている。演劇の専門科目や劇づくりは、教育ツールのひとつで、それらを通して、「正しい言葉」「美しい動作」「豊かな表情」などの表現力を総合的に育て、豊かな情操や創造性、協調性を身につけた人材の育成を目的としている。専門家から「劇表現」「伝統芸能」「舞台芸術」「舞踊」などの専門科目をバランスよく学んでいる。
また、アポロンホール(演劇実習棟)、多目的ホール、野外ステージは、演劇科ならではの設備である。このような設備面だけでなく、あらゆる面で演劇科が同校全体に与える影響は大きいという。例えば、大学進学にしても、放課後も卒業公演の準備に忙しい演劇科がそれなりの実績を出せば、自ずから普通科、GSコースの生徒もそれ以上の成果を上げようと努力する。
面接の練習などは、学年全体で行うので、演劇科の生徒の受け答えを見て、普通科の生徒が自己表現の仕方を学ぶこともあるとのこと。普通科と演劇科が良い刺激を与えあって、さらに部活動との両立をはかれる宝塚学区のトップ高である。
宝塚北高校の大学進学実績
2010年度の主な実績としては、国公立大では東大3名、京大8名、大阪大12名、神戸大13名など。私立では、早稲田1名、慶應2名、同志社29名、立命館24名、関西学院48名、関西54名などとなっている。宝塚北高校の入試傾向
入試は推薦が2月15日、一般は、3月12日(2010年度)。一般の入試科目は国・数・英(リスニング含む)・理・社。各50分。合否は、学力検査と内申点の合計点で決定し、学力検査:内申点=5:5。内申は、自然科学系のグローバルサイエンスコースが85%以上、普通科は、80%くらい、演劇科は75%くらい欲しいところだ。
今年はグローバルサイエンスコースが募集定員40名に対し、78名が応募、競争率は1.95倍で、普通科が募集定員240名に対し、306名が応募、競争率は1.28倍で、演劇科が募集定員40名に対し、54名が応募、競争率は1.35倍だった。
主な併願先は、男女とも雲雀丘学園、仁川学院等となっている。