起業という選択
前回、35歳は出産のタイムリミットを意識する年齢であるとともに、採用の年齢制限を意識する年齢であるというお話をしました。この10年余りで、女性の職業感は大きく変わりました。結婚退職を望む人の割合が12.6%から5.5%と半分以下に減っているのに対して、子どもができてもずっと職業を続けたいという人が23.4%から45.9%と倍増しています(内閣府「男女共同参画に関する世論調査」2009年調査より)。しかし、前回お話したような理由もあって、なかなか思い通りにはいきません。
自分の好きなこと、やりたいこと、得意なことを仕事にしてみたい。自分のペースで働けたら家庭やプライベートとの両立がしやすいのではないか。世の中に役立つサービスを自分の力で発信してみたい。そんな夢や希望をかなえる手段のひとつに起業があります。起業がもっと身近になれば、キャリア選択の幅も広がることでしょう。
ただし、起業には落とし穴があります。事業を興すのは意外とかんたんですが、事業を継続していくのは至難の業。仕事というからには、世の中から必要とされる商品やサービスを提供して、利益を上げていかないことには事業を継続することはできません。中途半端な資金計画、事業計画のまま見切り発車したために、生活が成り立たなくなってやむなく撤退というのでは、悲しいですよね。