社会を支える層が減っていく
問題は少子高齢化だけじゃない
日本では少子高齢化が急速に進んでいます。そんななか、社会全体で子育てを支援しようということで、今年から子ども手当や、公立高校の授業料無償化が始まりました。
厳しい財政のなかでこのような政策が始まったのは、少しでも子育て世帯の負担を軽減して、子どもを産みやすい世の中、育てやすい世の中にしようという考えから。子どもを産み育てるにはたくさんの苦労も(もちろん、喜びも楽しみも!)ありますが、成人した子どもたちは将来働いて社会を担う貴重な存在となります。国が継続的に成長していくためには、未来を担う子どもたちの存在が欠かせません。
親世代の老後の暮らしにも影響が…
老後の暮らしにも影響が出るかも…
国がさまざまなサポートをして少子化が改善したとしても、将来、子どもたちが大人になったときに仕事に就けなければ、税金を納めることができません。もしも、そうして国の税収が激減してしまえば、いまの社会のしくみを維持することが難しくなるでしょう。もしくは、社会の仕組みを維持するために、消費税や所得税などの税率がさらにアップするかもしれません。
同様に、子どもたちが大人になったときに仕事に就けずに、社会保険料を払えない層が多くなれば、現在の健康保険のしくみや、年金の制度も維持しにくくなります。そうなれば、いま以上に健康保険料が高くなるか、もしくは健康保険を使って病院にかかるときの自己負担率がいま以上に上がることも考えられます。また、年金の制度は維持されても、給付率が減少するのは避けられないかもしれません。
「風が吹けばおけ屋が儲かる」式に将来をイメージしてみると、学校を卒業した後の子どもたちの失業率が高くなれば、社会のしくみに影響が出て、私たちの老後の暮らしにも影響が出てしまうのです。
学校を卒業後3年以内に会社を辞める「七五三問題」を解消することは、仕事で悩んでいる若者やその親だけの問題ではありません。日本の未来を左右するとても大きな問題なのです。