いわゆる「予算」と言われるのは一般会計
特別会計とは、国の予算の一種です。では、毎年春に国会で「成立しました」とニュースになる、いわゆる「予算」とは何でしょうか?毎年春に成立する、約90兆円ある「予算」は、一般会計と呼ばれるものです。これは「表の予算」とも言われますが、それに対して「裏の予算」とも言われる、別枠の予算が特別会計です。これは「特会(とっかい)」と略されることもあります。
ここで突然、特別会計という言葉が出てきました。それでは、これまでずっと「予算」だと信じていた一般会計とは何なのでしょうか? なぜ特別会計はこれまでニュースにも出てこなかったのでしょうか? 私たちは騙されていたのでしょうか?などなど、様々な疑問が出てくることでしょう。
実際、特別会計は「裏の予算」と言われるだけあって、これまで表にはほとんど出てきていません。これまではあまりニュースにもなっていません。ニュースには「表の予算」である一般会計だけが出てきて、特別会計はあまり公にならず、ひそかに運営されていたというわけです。
2003年、当時の財務大臣塩川正十郎氏が「母屋(一般会計)ではおかゆを食って辛抱しようとけちけち節約しているのに、離れ座敷(特別会計)で子供がすき焼きを食べている」とも評していました。
全部で18ある特別会計
18の特別会計一覧。正式名称は、これらの後ろに「~特別会計」とつく。
18特別会計は、その規模も歳入の経路もそれぞれ違います。例えば、特許特別会計は比較的小さい特別会計で、その規模は2000億円程度。一般会計予算の、実に1%以下です。主な歳入は、特許の印紙収入など。
それに対して規模が大きいのは年金特別会計で、約70兆円規模と一般会計に匹敵する大きさ。これは私たちに身近な国民年金・厚生年金を運営するための特別会計で、主な歳入源は当然年金の保険料です。
特別会計の収入源は独自の収入源であることもあれば、一般会計から資金を回される場合もあります。