息切れの原因

息切れの原因はいろいろで、中に怖いものがあります

息切れの原因はいろいろで、中に怖いものがあります

息切れはさまざまな原因や病気で起こります。息切れそのものは肺の症状なので肺の病気が多いですが、肺に影響を与える他臓器、たとえば心臓や血液などの病気が原因で息切れが起こることもあります。生命に関わる重大な疾患が潜んでいることもあり、油断できません。息が止まれば、そのまま命に関わりますから。

息切れが強いときは、酸欠気味や炭酸ガス(二酸化炭素)過剰気味になっていることが多く、体は何とかしてその不足分を補おうとします。いわゆる肩で息をする、「努力呼吸(どりょくこきゅう)」はその例。不足分が補いきれなくなると、酸欠などで意識を失ったり、心臓が止まってしまったりします。

息切れはそういう意味で危険信号の症状なのです。特に、安静にしているときでも息切れが出る場合は注意が必要。それだけ体に余裕がないことを現しているため、早めに病院を受診するようにしましょう。以下で、各臓器別に、息切れの原因となる病気一覧を解説します。

息切れの原因となる肺の病気一覧

■感染症
肺が原因で息切れすることはよくあります

肺が原因で息切れすることはよくあります

細菌やウィルスに感染することで起きる病気は様々。風邪のようによくあるものから、肺結核などの重大なものまでが考えられます。

・風邪
気管支炎
発熱があり、くしゃみ、鼻汁、ノドの痛みなどがしばしば伴う。また気管支炎では咳やたんが出やすくなる。

インフルエンザ扁桃腺炎
風邪の症状に加えて38℃以上の高熱が出やすい。

肺炎肺結核
くしゃみ鼻水などはあまり出ないが、咳や痰を伴い、胸が痛むことも。38℃以上の熱が出れば肺炎の可能性があるが、肺結核の場合は高熱は出にくい。


■拘束性肺疾患(こうそくせいはいしっかん)
「拘束性」とは肺が硬くなり膨らみにくくなること。肺の中に取り込む空気の量が減り、酸素と二酸化炭素(炭酸ガス)のガス交換が不十分になります。この拘束性肺疾患では肺活量が減るのが特徴。深呼吸してから息をふーっと吹く「肺機能検査」を行うと、簡単にわかります。拘束性肺疾患には以下のような種類があります。

特発性肺線維症
肺が硬くなるため、息を吸っても肺が広がりにくくなり、肺としての機能が弱まります。

・脊柱側弯(そくわん)症

肺ではなく脊柱(背骨)の病気ですが、重くなれば肋骨の動きが低下し、呼吸がしづらくなります。結果的に、拘束性の変化を引き起こします。

呼吸筋の障害、呼吸を妨げる神経系の障害
同様に呼吸運動がしづらいため、拘束性に似た状態となります。

■閉塞性(へいそくせい)肺疾患
閉塞性肺疾患は気管支の枝などが狭くなり、せっかく肺に吸い込んだ空気が十分に外へ出せず、その結果ガス交換が十分できなくなります。これも拘束性肺疾患と同様、肺機能検査ですぐわかります。息を吐く途中で吐けなくなるという特徴で、診断できるわけです。

・慢性気管支炎、肺気腫、喘息などのCOPD(慢性閉塞性肺疾患)
息を吐くときは気道が狭くなるため、空気は肺から吐き出されず、息苦しくなります。痰が多量に出る他、黄色の痰や血液がまじった痰が見られることも。気管支喘息ではそうした痰が出ないことが多いです。逆に気管支拡張症の場合はゼーゼー言わないのが特徴です。たばこが原因であることが多く、禁煙しないと病気が進み重症化するタイプが多いです。逃げ場がないような苦しい毎日になるまでに病院で治療を受けましょう。

なお病気が複数合併すれば、たとえば肺気腫+肺炎などの状態になれば症状も複合し、上記のように簡単には行かなくなります。やはり医師の診察と判断が必要となります。

息切れが起こる心臓の病気一覧

心臓が原因で息切れすることもよくあります。心不全の症状であり、要注意です。

心臓が原因で息切れすることもよくあります。心不全の症状であり、要注意です。

■心不全・肺水腫
心不全の場合、肺の中に水分などの液体が溜まり、「肺水腫(はいすいしゅ)」という状態になります。肺水腫は呼吸困難を引き起こし、胸に息苦しさや重苦しさを感じます。

重くなれば「起座呼吸(きざこきゅう)」となり、横になると息苦しくなり、起き上がると楽になります。咳や痰は出ないことが多いですが、咳が出ることも。危険な状態なのですぐに病院へ。

■狭心症・心筋梗塞

これも急性の心不全を起こすことがあり、そのために肺がうっ血して息切れや呼吸困難が起こることがあります。同時に胸の痛みを伴いますが、痛みがないこともあります。これも命に関わる危険な状態。

なお、この心不全の原因として代表的なものとして、上記の狭心症・心筋梗塞やさまざまな心臓弁膜症(たとえば大動脈弁狭窄症や大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁閉鎖不全症や僧帽弁狭窄症あるいは三尖弁閉鎖不全症その他)があります。

それらに加えて、拡張型心筋症や肥大型心筋症、閉塞性肥大型心筋症 HOCMあるいは二次性の心筋症(サルコイドーシスや左室緻密化障害など)、さまざまな先天性心疾患(心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、修正大血管転位症、動脈管開存症、肺動脈弁狭窄症、ファロー四徴症、エプシュタイン病、完全大血管転位症等)などなどがあります。その他の心臓病でも息切れは起こることがあります。これらは慢性心不全のページをご参照ください。

■心臓喘息

肺に液体が溜まると、気道が狭くなったり、息がゼーゼーという喘鳴が起きることがあります。黄色や赤色の痰は出ないのが普通。心臓病と気管支喘息の両方をお持ちの患者さんの場合、息苦しさの原因がどの程度気管支喘息で、どの程度心臓なのか見分けづらいこともあります。これは心臓や肺に詳しい医師が判断できますので病院で相談するのが安全です。

息切れが起きる血液の病気一覧

■貧血や出血
酸素を組織へ運ぶ赤血球数が減少するために、からだ全体が酸欠気味になり、呼吸困難を起こします。出血が原因のときは、血液そのものが悪くなくても貧血が起こります。この場合はどこから出血しているかを調べてそれを治す必要があります。たとえば胃腸や肛門、子宮などさまざまな臓器の病気が考えられます。


腎臓の病気でもときに息切れ症状が出ることがあります

腎臓の病気でもときに息切れ症状が出ることがあります

腎不全が原因で起きる息切れ

■代謝性アシドーシス
全身に酸が貯まり体が酸性になる病気。これにより、心不全、貧血が起こるため、浅く速い呼吸が始まり、息切れが起こります。


精神的なものが原因で起きる息切れ

■過換気症候群
精神的な原因がある場合、肺そのものは悪くなくても、十分な空気を吸いこめないように感じるため、呼吸が激しく速くなることがあります。「過呼吸」によって、血液中の二酸化炭素濃度が低下し、特有の症状が起きるのが特徴。

手足や口の回りが、しびれた感じがすることがあります。パニック障害などが原因になっている場合も。

参考サイト: 心臓外科手術情報WEB  心臓病やその手術関係の情報が得られます
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