ビクトーザ

ビクトーザ。1本で2~3週間分。薬価9,960円、もちろん健康保険が適用されます

インスリン治療中の2型糖尿病者に、インスリンの代わりにビクトーザ(GLP-1受容体作動薬)を処方し、DKAによって2名の死亡者が出ました。

ビクトーザとインスリンは別物!

もちろん、ビクトーザ(一般名リラグルチド)が危険な薬というわけではありません。今回の死亡事故は、ビクトーザが正しい使い方をされなかったために起こったものだと考えられます。

ビクトーザは1日1回、朝または夕方に使用する皮下注射製剤で、食事療法・運動療法またはSU薬で十分な血糖コントロールが得られなかった2型糖尿病者に適応となっています。インスリンメーカーが開発したもので、インスリンペンと全く同じ形なので錯誤があったのかも知れません。

私たち患者サイドも、インスリンと、インクレチン関連の新しい薬であるGLP-1受容体作動薬(皮下注射)やDPP-4阻害薬(経口薬)の根本的な相違を十分に理解しておく必要がありそうです。

ビクトーザ切り替え後に注意すべきこと

ビクトーザは平成22年6月11日より販売が始まり、10月まで約9,000人が使っています。厚生労働省によると、このうち10月7日までに糖尿病ケトアシドーシス(DKA)が4例(うち死亡2例)、高血糖16例が報告されています。これら20例のうち、17症例がインスリン治療からビクトーザに切り替えた後に発症したもの。他にもインスリン治療からビクトーザへの切り換えが行われていると推測されるので、厚労省は患者の安全を守るために次のような情報を製薬会社を通して医療関係者に伝えるように指示しました。

  1. ビクトーザはインスリンの代替薬ではないこと
  2. インスリン依存状態の患者(1型糖尿病、インスリン治療が不可欠な2型糖尿病)へは、インスリンからビクトーザへの切り替えは行わないこと
  3. ビクトーザの投与に際しては、患者のインスリン依存状態を確認し、投与の可否を判断すること
  4. 既に切り換えを行った患者に対しても、血糖コントロールの状態を確認するなど、インスリン治療に戻す必要のある患者に対して必要な処置を行う必要があること

インクレチン関連薬は、すい臓のベータ細胞に作用してインスリン分泌を強める薬。SU剤と同じような作用です。ですから、2型糖尿病が進行し、すでに自分では十分なインスリンが生成できない患者には効きません。それなのにインスリン治療をやめてビクトーザに切り換えたために極度のインスリン欠乏になってDKAになったのが今回の不幸な事例です。

自分がどのくらいのインスリンを分泌できるかはCペプチド等で検査することができます。ガイドラインが決まるといいですね。

使う側の知識が問われる? 今後の糖尿病新薬

いつも同じことを言いますが、2型糖尿病は進行性の病気ですから十人十色、百人百様なのです。ビクトーザがとても合うタイミングがある人もいるでしょうし、合わない人もいるのです。

これから、血液中のブドウ糖を尿からどんどん排泄して血糖値を下げようとする「妙な」新薬も登場しますよ。薬の選択肢が増えるのはありがたいことですが、ベテランの医療関係者が使いこなせない事態も考えられます。

医学の進歩によって、ますます治療が難解になる糖尿病とはまったく奇妙な病気ですね?!


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