お客様と世界で一番近い胡麻屋
京都市・桂にある「山田製油」本店
ごま製品は、メーカーにより様々な製法があり、同じように見えても、その風味や色など個性も様々です。
「山田製油」では、伝統的な圧搾製法、そして一番搾りにこだわったごま油を製造されています。生産量は限られますが、丁寧に責任あるモノづくりができる体制を貫いておられます。
「世界で一番お客様との距離が近い胡麻屋を目指す」と、熱く語るのは社長の山田康一さん。
株式会社山田製油
代表取締役社長
山田康一さん
「山田製油」でも、もちろんすべて国産品では賄えませんでが、問屋任せにはせず、国産はもちろんできるだけミャンマーなどの海外にも出かけ、どんな人がどんなふうに育てたごまなのかを確認し、自分たちと同じスタンスの人と取引することをモットーにされています。
数種類をブレンドし、理想の味を構築
その日の温度や湿度などによっても、炒り加減はかわってくるという繊細な作業です
「山田製油」の製造現場で働く従業員さんたちは、タバコやコーヒーも禁止されています。というのは、香りの強い食品を摂取していると、微妙な炒り加減がわからなくなってしまうので、ブレンドの割合がぶれるなど、製造に支障を来すからだとか。
ごまには、大きく白ごま、黒ごま、金ごまがあります。それぞれに味や香り等が異なりますので、「山田製油」では、ごま油、炒りごま、練り胡麻等、様々な商品に応じてブレンドされています。
石臼だからこそできるおいしさがあります。
また「山田製油」の練りごまは、焙煎加減が異なるごまを数種類ブレンドし、味や香りをうまく引き出せるように構築するそうです。
ごまを摺るのはそば粉用に使われる特製の石臼で、この石臼で二度挽きされます。摺る際には摩擦熱が発生しますが、石臼なら熱を逃すことで、ごまの風味を損ねることがありません。
一般的な機械で摺ると均一になめらかに仕上がりますが、石臼だと適度に粒が不揃いになることによって、より風味が引き立ちおいしくなるそうです。ごまだけで作る練りごまもなんと奥深いことなのかと再認識しました。