MBA・ビジネススクール/MBAのプログラム

経営者としての知識を学ぶMBAプログラム

MBA取得は、時間とお金がかかります。それを無駄にしないためにも、プログラムの内容を最初に知り、自らのキャリアにおいて必要があるかどうか考えておくことは有益です。MBAプログラムの全体像、必修科目である基礎科目の詳細、どのような方法論で学ぶかをみていきましょう。加えて、ケーススタディについてもお話します。

福原 正大

執筆者:福原 正大

MBA・海外留学ガイド

MBAプログラムは、あなたが企業の優れた経営者になるためのノウハウを学ぶように構成されています。

MBAプログラムの基本構成

MBAプログラム

MBAプログラムでは基礎科目と専門科目で構成されている

全てのビジネススクールでは、MBAプログラムは大きく基礎科目と専門科目で構成しています。年間を通じて、1週間に5~8科目を履修。各ビジネススクールにおけるプログラムの違いは、基礎科目と専門科目の構成比、専門科目の種類、科目ごとの教授法です。

基礎科目は、時代の変化に関わらず経営者として必須の知識。したがって、ほとんどのビジネススクールで基礎科目は共通になります。2年制のビジネススクールでは1年目、1年制では最初の3~6ヶ月間を基礎科目を必修科目として勉強します。必修科目は多くの場合、7~10科目程度です。

科目数の違いは、経済学をひとまとめにしてミクロとマクロを学ぶか、双方を別科目にするかなどの区分けの違いによるもので。専門科目は、必修科目を終了後、みずからの興味のある分野での専門性を深めるべく5~15単位程度取ることになります。当然、時間のある2年制のビジネススクールでは、専門科目を多くとることができます。

MBAの基礎科目1

戦略
戦略は、企業が社会の中で長期的にどう進むべきかを考える科目。今後の社会の変化を予測した上で、企業としてどういったお客様にどのような商品やサービスを提供していくかを、中長期的な方針として決定する方法論を学びます。競合他社とどのように差別化を行っていくかなど、まさに経営を行っていく上で必須の、総合力を養成します。

マクロ経済学
世界のどの企業も、経済環境に大きく影響を受けます。たとえば、2008年のようなリーマン危機が起こったのち、世界経済は急速に冷え込み企業の売り上げも急減しました。こうした経済環境を経営者としてどのように俯瞰するべきか。戦略決定をするために必要な経済変化予測を行う基礎力を付けます。

ミクロ経済学
ミクロ経済学で学ぶことは、一言でいえば商品の価格付け。例えば、新製品の携帯電話を20,000円にするべきか、15,000円にするべきかを学ぶということです。このなかでも、ゲーム理論と呼ばれる分野に脚光が当たっています。ゲーム論は、自らの企業行動・戦略だけでなく、競合他社の行動・戦略を加味し、最適な戦略はなにかを探るためのものです。

例えば、A社の経営者が、新製品の携帯電話をこれまでの平均的な価格であった20,000円から5,000円下げて15,000円で売るという低価格戦略を採用したとしましょう。この際、競合他社がこれまでと同じ価格戦略20,000円で携帯電話を売っていれば、A社は値段を下げた分消費者が他社から乗り移ってきて、売り上げを伸ばすことが予想されます。しかしながら、A社が新製品の値段を下げたことに対抗し、競合他社も値段を下げたとしたらどうでしょうか? 結果としてA社の売り上げが伸びず、価格を下げた分だけ収益減少になることもあるのです。こうした分析を緻密に行い、最適価格戦略を探るのがミクロ経済学の中心分野であるゲーム論です。
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