大注目のインドのオンライン旅行予約最大手企業
メイクマイトリップ社(MakeMyTrip, ティッカーMMYT)はインドから6年ぶりに米国市場(ADR)へ新規上場した企業です。業務内容は同社ホームページ(MakeMyTrip.com)から飛行機、鉄道、バス、ホテル(国内4000ホテルを繋ぐ)、それから各種パッケージツアーなどの予約受付け、と今やどこの国でもあるオンラインサービスのインド版企業です。インドでシェアの半分近くを占める最大手であり、まだ赤字決算を出して損益分岐点に達しておりませんが、米国ではその将来性に注目が集まり、上場初日は過去米国3年間で最も上昇した株となるなど華々しいデビューを演じました。上場で5百万株を公募価格の上限となる$14.00で売り出し、7000万米ドルの資金調達規模となりました。IPO初日は同社創設者兼社長がナスダックのオープニングベルを鳴らし、その日の株価は$26.45で取引終了、実に公開価格から一日で89%の上昇となりました。さらに上昇は初日だけに留まらず、以後初日につけた安値を下回ることなく騰がり続け、5営業日後には$36.19にまで達しています。2010年に米国に新規上場した銘柄で最高のパフォーマンスをここまであげているといってよいでしょう。
インドからは過去、IT大手のインフォシス(INFY)、ウィプロ(WIT)や、ICICI銀行(IBN)、タタモータース(TTM)、製薬のドクターレディーラボラトリーズ(RDY)など、数は少ないですが著名な実力企業が絞り込まれるように米国に上場しており、多くはその後も成功を収めています。そしてインドからの上場企業に限らず米国株式市場でこのような華々しいデビューを遂げた銘柄は、しばらく調整したあとに時間をかけて実力を発揮させ、再び株価絶好調となることがしばしば見られます。
インドの15年先は極めて有望ですが、現時点では、あらゆる面のインフラ整備が中国より大幅に劣っています。ITのインフラ(高速ブロードバンドやインターネット自体の普及率)も中国に比べれば話にならない低レベルであり、すでに3億人超がネットを使用する中国に比べ、インドはまだ数千万人というところでしかありません。またネット決済にはクレジットカードを使用すると思いますが、こちらのインフラも遅れており、まだ二千万人ほどしかカードを持っていない国でもあります。
とはいえ2025年にはインドのミドルクラス層人口は2005年の10倍に激増し(会社予想)、将来的には人口構造からあらゆる面で中国を逆転していくと思います。今は中国の消費文化の隆盛をみて様々な中国消費株が値を上げていますが、さらに先を見越してインドの消費銘柄に赤字のうちから人気が集まっているという段階です。
今のうちから注目しておけば非常に面白いと思います。