バブル女は、結婚欲が強い
「結婚=幸せになれる」概念は、自分で稼ぎ生きる術を持たない20代女性に引き継がれ、「働きたくない。売れるうちに結婚したい」という女性も少なからずいる
世を席巻した“負け犬”ブームも、「いくらお金を稼いでも、社会的に成功しようとも、結婚していない女性は負けである」という価値観のもとに生まれたものであり、その言葉を生んだ酒井さん自身もバブル世代だ(ご本人はバブルの匂いがまったくしませんが)。
一方、就職にも収入にも苦労した団塊ジュニアは、結婚するにも「物質的なものより本質的なもの」を重視した結果、「自分らしさ」を求めるようになった。たしかに、団塊ジュニアである私は、10年前、20代半ばの新人ライターだった頃、自分たちの世代を代表して、「自分らしい結婚がしたい」というタイトルの結婚特集を書いたことがある。でも、それでは、なかなか結婚はできない。結婚は、物質的なものであり、現実的な生活だからだ。
バブル女性は結婚と言う現実に、抽象的なものは求めない。経済的、物質的な豊かさを与えてくれる男性には、素直に惹かれ、従えるのだ。ゆえに、結婚への意欲もストレートだし、欲望も叶えやすい。 以上が、本書の中で語られていた婚活市場でバブル女性がモテる理由の一部だ。
参考にできるかどうかは人それぞれだが、興味深い。 本書では、他にもバブル女性を通して(反面教師にして)、時代を考察、この時代を生き抜く術について模索されていて、とても面白かったし、共感する部分も多かった。 しかし、一方では、某人気40代女性誌の編集長(40代半ば)は、「バブル世代だけど、バブル女じゃない人もいっぱいいる。バブルの頃はバブルを楽しんだけど、ちゃんと卒業している人も多いの。時代錯誤なバブル女を世代の代表にしてほしくない」と嘆いていた。
もちろん、人それぞれ。世代で全ては区切れないし、世代論は絶対ではない。けれど、同じ時代に同じ風景を見てきた共通項はたしかにあるし、さまざまな価値観に振り回されて、自分を見失いそうになりがちな時代、世代論は、冷静に自分を見つめ直すキッカケになり、新しい道へと進むヒントにもなりえると思う。