CEATEC JAPAN2010は幕張メッセで10月5~9日に開催
10月5日から9日にかけて開催された、最先端IT・エレクトロニクス展、シーテック・ジャパン2010。家電メーカーのブースは、3Dディスプレイやエコ関連機器、スマートフォン、タブレット型PCあたりが展示の中心だが、そのなかからカーエレクトロニクスに関する新製品や新技術をピックアップして紹介しよう。
パイオニア×ドコモがコラボを発表!
最も目を引いたのがパイオニアのブース。ドコモが提供しているドライバー向け情報提供サービス「ドコモ ドライブネット」のスマートフォン対応に向けた協業に基本合意し、現場でプレス発表会を行ったのだ。基本合意したのは
- スマートフォン用の通信カーナビアプリ「ドコモ ドライブネット powered by カロッツェリア」のパイオニアによる開発&ドコモからの提供
- スマートフォン専用車載クレイドルのパイオニアによる開発&提供
- 「ドコモ ドライブネット」におけるスマートフォン向け情報提供サービスの共同開発
ドコモのスマートフォンが通信カーナビに
内容については、まだまだ決まっていないことが多いようだが、「ドコモ ドライブネット powered by カロッツェリア」の地図データはパイオニア(IPC)のものを使用。プローブ情報を活用してリアルタイムのスマートループ渋滞情報を提供するほか、地図の差分更新により、常に最新の地図を利用可能。また価格情報付きのガソリンスタンドや満空情報付きの駐車場、TV紹介スポット、グルメスポットを探せたり、オービス情報をダウンロードできたりもする。さらに、ドコモ ドライブネットのユーザー同士でグループ登録を行うことで、地図上で位置を共有し合うことも可能。以前、サイバーナビなどにもユーザー同士で、位置を共有し合うサービスはあったが、身近なスマートフォンで位置を共有しあえるのは複数のクルマでのドライブに便利だし、車載以外で待ち合わせ等にも活用できるかもしれない。
スマートフォンで測位性能を大幅に向上
スマートフォンによるカーナビの弱点といえば、GPSが受からない場所での測位精度だが、これはパイオニアが開発する車載クレイドル「スマート・クレイドル」で、解決を目指している。このクレイドルには、GPSとGセンサー、ジャイロセンサーを内蔵。パイオニアが、カロッツェリアのカーナビで長年培ってきた位置認識アルゴリズムを活用し、GPSの電波を受信できない場所での測位性能を大幅に向上させる予定だ。また、独自の燃費推定技術を活用して、内蔵のLED表示によりエコ運転を支援したり、内蔵Bluetoothによってハンズフリー通話はもちろんのこと、クレイドルとスマートフォン間のデータ通信を実現したり、内蔵のスピーカーで再生するカーナビの音声ガイドの音量を、走行速度に応じて自動調整するオートサウンドレベライザーを搭載するなど、カロッツェリア・カーナビで培った技術が盛り込まれている。このクレイドルはパイオニアが開発&提供を行う予定だ。
料金体系は明らかにされなかったが、携帯電話およびPND向けのドコモ ドライブネット・サービスの月額使用料が315円だから、これと大差はないと思われる。ただし、月額800円前後というウワサもあり、正式な発表を待ちたい。
ともあれiPhone用のカーナビアプリでは実現していない測位精度の高さはありがたいし、ガソリン料金や地図の差分更新、スマートループ渋滞情報なども大いに魅力。またカロッツェリアのエアーナビ同様の機能が、ドコモのスマートフォンで実現できるわけで、従来PNDの強力なライバルにもなりそうだ。