ハウス栽培のものは4~8月に出荷されるイチジク。露地栽培のものは8月上中旬~11月上旬頃まで出荷されます。旬の恵みであるイチジクの魅力をご紹介します。

イチジクに含まれる注目の栄養成分

イチジクの果実は、実ではなく花房。粒粒がそれぞれ花なのです。

イチジクの果実は、実ではなく花房。粒粒がそれぞれ花なのです。

イチジクの果実には、糖質、クエン酸などが含まれています。また、ビタミンEや、カルシウム、カリウムなどのミネラル類も少量ずつですが、幅広い栄養素が含まれています。

また水溶性食物繊維のペクチンが比較的多く含まれています。ペクチンは、腸の運動を促し、便秘予防、またコレステロール値や血糖値の上昇抑制にも役立つとされています。

イチジクの茎・葉からは乳白色の液体が出ますが、この乳液にはアミラーゼ、フィシン、エステラーゼ、リパーゼ等の、糖質・タンパク質・脂質の分解酵素が含まれており、胃腸の働きを活発にして消化吸収を促すと言われています。

日本のイチジクの果皮色は、熟するにつれ赤褐色になっていきますが、トルコ産は白色、フランス産は黒色と、さまざま。イチジクの果皮や果肉の色はファイトケミカルのアントシアニンの含量に影響され、アントシアニンの含量が高いほど抗酸化活性が高い傾向があるという報告があります。

古くから健胃・整腸の予防や改善に利用されるイチジク

イチジクは、アラビア南部を原産とするクワ科の植物で、旧約聖書の中でもしばしば登場します。最古のシュメール文明でも、主に樹皮や樹液などが薬用とされていたことが知られているそうです。17世紀に日本にも中国から伝えられた当初も、やはり薬用として栽培されていたそうです。

漢方や民間療法では、果実はもちろん樹や茎、葉にも薬効があると言われ
、イチジクは潤いの性質があり喉ガレや空咳によいと言われています。乾燥しやすい秋に、自然は必要な恵みを与えてくれるものですね。

また、胸焼けや胃腸の調子を整えるというのも、食物繊維や分解酵素の働きが経験的に知られていたのでしょう。

他にも茎や葉、その乳汁が民間療法で利用されていましたが、これまで化学的に茎や葉のもつ機能性と関与成分は知られていませんでした。しかし、近年はそれらを明らかにする目的で研究も行われ、ビタミンCやポリフェノールが多く含まれていることなどがわかり(東洋食品工業短大・東洋食品研究所) 、他の成分もその機能性の解明や、食品や薬剤など研究されています。

ただし、イチジクはあくまで食べ物であり薬ではないので、すぐに何かに効くというような過度な期待をしてはいけません。乳液もイボに効くなどいろいろと利用されたようですが、イボ以外の皮膚につくとかぶれることもあるそうです。素人判断では使わないようにしましょう。

また、体によいからと食べ過ぎるのも禁物。おなかを壊すこともあります。何でも適量を心がけて、旬の恵みをおいしく楽しんでください。

花は咲くけれど「無花果」

イチジク,デザート

イチジクをデザートや、お料理に活用しましょう。

「イチジク」の由来は、毎日1つずつ実が熟すことから「一熟(イチジク)」になったという説がありますが、他にも多くの呼び名があります。南蛮柿、唐柿、また天生子、文仙果、映日果などたくさんの異名もあります。

イチジクは漢字で「無花果」と書きますが、花がないわけではありません。実の中に赤いツブツブがありますが、あれが花で、果実と思っているのは、実は花嚢(かのう)なのです。

イチジクの食べごろ

ふっくらとして果皮に張りがあり、香りのよいものを選びましょう。熟すほどに色が赤褐色になり、お尻の部分が裂けそうになっていれば食べごろです。裂け過ぎは熟し過ぎです。未熟なイチジクは、酵素の影響で、胃を痛めることがあるので注意してください。

イチジクの食べ方

イチジクはそのまま食べてもおいしいですが、生ハムなどと合わせても相性がよいです。サラダや和え物、デザートなどにも活用しましょう。また、加熱に弱い酵素の働きは失われてしまいますが、コンポートやジャム、また、衣をつけた揚げ物などの温かい料理にすると、甘味も強く感じられとろっとした食感になります。旬のイチジクをおいしくいただきましょう。

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参考/
イチジク(野菜等健康食生活協議会)
東洋食品工業大学・東洋食品研究所
薬になる植物図鑑(柏書房)
その他
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