食と健康/健康レストラン・食ニュース (関東)

ニホンドウ漢方ブティックに聞く 漢方との付合い方

アレルギーや、便秘や冷え性などの慢性的な悩みを抱える人たちに漢方が注目されています。カジュアルな漢方ブティックを取材し、どのように取入れればよいのかを取材しました。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

花粉症やアトピーなどの慢性的な疾患や、病気というほどではないけれど、冷え性や便秘、睡眠不足などの症状が長引き、なんとなくカラダの調子が優れない・・・・。そんな悩みを抱える人たちの間で、今漢方が注目されています。

漢方薬局と言えば、難しい名前の高額な生薬が並び、なんとなく気軽には入りにくいイメージだったのは一昔前。最近では漢方を取り入れたスタイリッシュなカフェなども話題になっています。今回は、ニホンドウ漢方ブティック(梅田阪神店)をお訪ねして、漢方の考え方や取入れ方についてお話を伺いました。


  • 漢方は心身のバランスに重点をおく

    増子
    お話/ニホンドウ漢方ブティック  
    梅田阪神店店長 
    増子 義孝(ますこ よしたか)さん
    南・・・まず西洋医学と漢方は、どんなふうに違うのでしょうか?

    増子・・・漢方は、中国四千年におよぶ経験の積み重ねを体系的にまとめた東洋医学の一つです。例えば西洋医学では、カラダの故障した部分を治すことが治療であり、また心と身体は別々のものと考えられています。一方漢方は心とカラダは切り離せないと考えられ、このバランスが崩れると病気になるので、心身のバランスを整えることを重視します。


    南・・・最近はイギリスなど海外でも代替医療が注目され、日本でも漢方が雑誌等でも取り上げられていますが、そういう実感はありますか?

    増子・・・そうですね。以前は漢方と言えば年配の方が相談にこられるイメージでしたが、この阪神百貨店の6F リラクシアは、若い女性の美と健康のためのスポットということもあり、女性のお客さまが多いですね。

    最近メディア等で取り上げられてからは、お子さんからお年寄りまで、よりお客さまの層が広くなってきました。みなさん、西洋医学にはないものを求めておられるのがひしひしと感じます。

    意識していない所に、ストレスの原因が・・・

    ニホンドウ漢方ブティック
    阪神百貨店6F リラクシア 
    ニホンドウ漢方ブティック 梅田阪神店 
    オープンなイメージで気軽に入れそうです。
    南・・・西洋医学にはないものとは、どのようなものですか?

    増子・・・先ほども言いましたように、漢方では心身のバランスが前提です。西洋医学では、例えば単純な言い方をすれば頭が痛ければ頭痛薬を飲みます(患者さんの年齢などにより量が異なる事はあります)が、漢方薬はその人それぞれの体質や生活習慣などによりまったく異なるのです。

    南・・・その方の体質や生活習慣などを知ることが大切なんですね。

    増子・・・そうです。お客さまによりますが、30分~1時間くらいはじっくりとお話を伺います。


    南・・・随分時間をかけられるのですね。どのようなお話をされるのですか?

    増子・・・例えば50代~60代くらいの方で不眠がお悩みだとします。その方の体質や生活習慣などをお聞きするのはもちろんですが、いろいろと話すうちにお嫁さんの愚痴などがでてきて、実は最も大きな原因はそのストレスだったりすることがあるんですね。そういう方は、案外お話をきいてあげるだけで、気分がよくなるなんて方もおられます。ご本人が意識はされていないけれど、そこに問題が隠れていることが多いのです。

    南・・・なるほど。一見無駄話のような内容に、解決のための重要な鍵があるのですね。心の悩みやストレスというのは、近い関係の人にこそいえないことも多いですし、第三者に聞いてもらえるだけで心が軽くなるのは分かる気がします。心身のバランスを保つことが健康維持となるという意味がよくわかるお話です。

    東洋医学の基準で体質や機能を判断

    漢方生薬
    店内に飾られている生薬を見るのも面白い
    南・・・では具体的にはどのように漢方薬を選ばれるのですか?

    増子・・・漢方では、人間のカラダのタイプや機能を判断する基準として「気血水論」「五行論」などの方法があります。
    「五行論」は、体の機能は「肝・心・脾・肺・腎」の五臓で考えます。(ただし、西洋医学の臓器そのものを意味するのではなく、臓器の働きや機能のことを表します)。

    「気」、「血」、「水」は、それぞれ体の中を流れるものです。その流れが停滞したりすると症状がでます。

    こうした機能がどのような状態になっているかをチェックし、加えて生活習慣上の問題や精神状態なども考慮して、約200種類にもおよぶ漢方薬(煎じ薬・顆粒・錠剤など)の中から選んでご提供しています。

    南・・・最近最近相談に来られる方の症状で、どんなものが多いですか?

    増子・・・そうですね。若い女性ではやはりダイエット、冷え性、便秘、肩こり、アレルギーなどです。お子さんはアトピー性皮膚炎、お年寄りは腰やひざの関節痛等が多いですね。

    情報に流されず、専門家のアドバイスを!

    南・・・最近は健康に関する情報が溢れすぎて、どうしたら振り回されないでいられるかと、私自身も常に意識しているのですが、相談に来られる方にもそんな傾向は見られませんか?

    増子・・・確かに最近相談に来られる方は、みなさん知識や情報を十分にもってこられますね。でも「これはカラダにいい」と聞いてやってみてもうまくいかずにご来店になるケースも多いのです。

    例えばカラダの代謝をよくするからと水を1日に何杯も飲んでいる人は多いのですが、これもやはり体質によっては、代謝がうまくいかずむくんでしまうだけということもあります。ですから、うちのようなカウンセリングができるところで、専門家による体質や生活習慣、症状を分析してもらい、きちんと判断してもらうことが最も大切なんです。


    南・・・なるほど、何事もうのみにせずに自分の体質に合うかどうかを考えなければ、プラスどころかマイナス効果になることもあるわけですね。

    間違った使い方では効果なし

    漢茶
    漢茶やハーブティーはバリエーション豊富に揃っています。
    増子・・・南さんは、何かお悩みはありませんか?

    南・・・寝付きが悪いことでしょうか。どうしてもパソコンで夜遅くまで仕事をすると神経が高ぶって、カラダは疲れていても頭が冴えて眠れません。

    増子・・・よく分かっておられますね。それで何かされていますか?

    南・・・そうですね。お風呂にラベンダーオイルを落としたり、カモミールティーを飲んだり・・・。

    増子・・・どんな時にお風呂に入ったり、カモミールティーを飲まれていますか?

    南・・・入浴後仕事を続ける事もあります。カモミールティーも飲みながら、仕事するって感じで・・・。

    増子 なるほど。それではせっかくのカモミールティーもただのお茶ですね(笑)。寝る前には、必ずパソコンからはなれてゆったりした気分で、しばらく時間を過ごす。その時間にゆったりアロマバスに入る、カモミールティーを飲むなどしなければ精油の神経を休める作用も活かされませんね。

    南・・・なるほど。バスタイムもティータイムも、きちんとそこに集中しないと意味が無いのですね。やり方に問題があることをご指摘いただいて、納得できました。

    気軽に手にとって見られる、飲んで楽しめる

    ドリンクバー
    漢茶やハーブティーが楽しめるドリンクバー
    南・・・ニホンドウ漢方ブティックさんは、まるでお洒落な自然食品店やアロマショップのように、ドリンクバーでお茶が楽しめたり、料理の材料、漢茶、ハーブティーや雑穀、お菓子等も販売されていますね。

    増子・・・はい。例えばカウンセリングした時に、飲みにくい漢方薬は苦手という方でも、食生活を少し改善していただくことで状態が緩和される場合もあります。ただの白米よりも雑穀を入れればビタミンやミネラル、食物繊維を補う事ができますよとか、甘いものが食べたい時は市販のお菓子よりナツメを食べた方が栄養価も高いですよ、というようなご提案をしています。


    南・・・より漢方が身近で、取り入れやすいイメージです。しかも専門家のアドバイスも受けられるので安心ですね。近年は、健康に加えて自然派志向の方も増えているので、こういう商品が買いやすくなるとうれしいです。今日はいろいろと詳しくお話いただき、ありがとうございました。

    ドリンクバーで試してみたい漢茶

    翠漢茶
    阪神百貨店オリジナルブレンド 「翠漢茶」(525円)
    気軽に漢方を食生活にも取り入れたいという場合は、「漢茶」がお勧めです。梅田阪神店では漢方ドリンクバーが設置され、「漢茶」やハーブティー、また一般的な玄米コーヒーなども楽しめます。

    今回私は、阪神百貨店オリジナルブレンド「翠漢茶」をいただきました。抹茶、クマザサ、ジャスミン、ミント、クコの実がブレンドされています。爽やかでさっぱりしたミントの風味の中にクコの実の甘みがほんのりやさしい味わいです。

    他にも霊芝、高麗人参ベースの「源生寿」(683円)や、プロポリス・ローヤルゼリーベースの「喜蜂寿」(683円)などのドリンクもあります。また次回はいろいろな味を試してみたくなりました。

    今回取材させていただいたニホンドウ漢方ブティックでは、関東を中心に「漢方カフェ」や「漢方レストラン」、「漢方セラピー」などを展開中。「漢方スクール」では、講義と食事会という形式で、楽しみながら学べる薬膳セミナーなども開催され好評です。話題の漢方をきちんと勉強してみたいという方は、参加されてみてはいかがでしょうか?

    ニホンドウ漢方ブティック 梅田阪神店
    大阪市北区梅田1-13-13
    阪神百貨店6F リラクシア内
    電話06-6345-1201
    *漢方相談は混みあうことがありますので、事前の電話でのお問い合わせをおすすめします。

     
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