食と健康/食と健康の基礎知識

肝臓をいたわるアルコールとのつきあい方(2ページ目)

これから年明けまでは飲み過ぎ・食べ過ぎになりやすい時期です。 こんな時は肝臓もお疲れ気味。今回は肝臓の働きや、アルコールとのつきあい方、肝臓をいたわるポイントをご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

アルコールの分解

アルコールは、糖質や脂質、タンパク質のように代謝される過程で、1gあたり7kcalと高いエネルギーを発生します。でもアルコールのエネルギーそのものは、体内に蓄積しませんので、脂肪にはなりません。ただし一緒におつまみを食べ過ぎて肥満を招いたり、アルコールの飲み過ぎで肝機能が衰えることで脂肪肝になることもあります。

アルコールは消化の必用がないので、すぐに胃・小腸で吸収され、肝臓へと運ばれます。そこで酵素によってアセトアルデヒドに分解され、さらに酢酸に分解され、最後は炭酸ガスと水になって息や尿という形で体外へ排出されます。

このアセトアルデヒドを分解する酵素の少ない人ほど、頭痛や吐き気などの二日酔いを引き起こします。


アルコール処理能力
ビルー大瓶1本、ウイスキーダブル1杯、日本酒1合は、肝臓で処理するのに3時間もかかります。

大瓶1本ビールを処理するのに3時間

肝臓がアルコールを処理する能力は、カラダの大きさ等個人差がありますが、体重1kgにつき1時間に純アルコール約0.1gとされています。

これを換算するとおおよそビール大びん1本、あるいはウイスキーダブル1杯、日本酒1合、焼酎は06.合、ワイン1/4本のアルコール処理に、それぞれ約3時間もかかる計算になります。案外時間がかかるものですよね。

アルコールを飲めば、肝臓は一生懸命に分解作業を行いますが、飲み過ぎや食べ過ぎで肝臓の処理能力を超えてしまうと、肝臓に中性脂肪をためて脂肪肝へ、またその他の肝炎や肝線維症などのアルコール性肝障害の道へつながります。

アルコール性肝障害は、初期段階なら禁酒をし、食事に気をつけることで、肝臓の細胞を修復することができます。沈黙の臓器であるがゆえに、過信せずに日頃から肝臓をいたわってあげましょう。

肝臓をいたわり、アルコールとうまくつきあう食生活のポイントは次のページで>>

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