食と健康/食と健康の基礎知識

肝臓をいたわるアルコールとのつきあい方

これから年明けまでは飲み過ぎ・食べ過ぎになりやすい時期です。 こんな時は肝臓もお疲れ気味。今回は肝臓の働きや、アルコールとのつきあい方、肝臓をいたわるポイントをご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

これからは、クリスマスパーティや忘年会、そして年があけてからも新年会と、なにかにつけて、アルコールの飲み過ぎ、そしてご馳走の食べすぎになりやすい時期。 こんな時は肝臓もお疲れ気味。今回は肝臓の働きや、アルコールとのつきあい方、肝臓をいたわる食生活のポイントなど、基礎知識をご紹介します。


肝機能
人間ドックを受けた男性の異常頻度で最も高いのは肝機能でした。

人間ドック受診で最も異常頻度が高いのは肝機能

社会保険旬報(9月1日発行 No.2254-03)によると、日本病院会・予防医学委員会の報告では、平成16年人間ドック受診者294万人のうち、「異常なし」と判定された者は12.3%と過去最低であり、項目別に異常頻度をみると最も高いのが肝機能異常で(25.2%)、男性だけで見ても最も高いのが肝機能異常で31.0%でしたた。

そのときの体調などにもより、それほど深刻ではないケースも多いとは思いますが、意外に多いですね。さてあなたは、だいじょうぶでしょうか?

肝臓はカラダの化学工場

まずは、肝臓の役割から見てみましょう。「肝心(腎)要」と表現されるほど、肝臓はカラダの中で重要な働きを担っています。その機能は、主に代謝機能・解毒機能・胆汁生成の3つです。

  • 代謝機能=カラダに吸収された栄養素(糖質、蛋白質、脂質)を分解・合成し、脂肪や糖質は、肝臓に貯蔵され、必用な時にエネルギーとして使われます。
  • 解毒機能=カラダの老廃物や、薬物や食物を通じてとりこまれた人体に有害な物質を解毒・分解するなどして排泄します。
  • 胆汁生成=脂肪を消化する消化液(胆汁)を作り、胆嚢に蓄えられて、胆管から十二指腸に排出します。

このような肝臓の機能は、「カラダの化学工場」とたとえられています。最近は「デトックス」がブームですが、上で紹介したように、解毒を司るのがまさに肝臓です。


肝臓の代表的な病気

肝臓は予備能力が大きく、そのため機能不全に陥るまでなかなか症状が現れないため、「沈黙の臓器」とも呼ばれています。だるい、疲れやすいなどの自覚症状が出た時は、ダメージが大きい場合が多くみられます。

では肝臓の病気にはどんなものがあるのでしょうか。ここでは細かく説明しませんが、主に「肝炎」「肝硬変」「脂肪肝」などがあげられます。またその原因で分けると、ウィルス性、アルコール性、薬剤性、自己免疫性、先天性などに分けられます。

日本で現在、病院にかかっている肝臓病の患者さんで最も多いのは、ウィルス感染による肝炎や肝硬変、肝がんなどですが、食習慣の乱れからくる脂肪肝やアルコール性肝障害も多く見られます。

以前日本は、欧米よりはアルコール性肝障害が少なかったのですが、最近は1人あたりのアルコール消費量も増え、女性は男性よりもアルコール性肝障害になりやすいことも指摘され、今後もますますアルコール性肝障害が増えるのではと、懸念されています。

肝臓はアルコールをどんなふうに処理しているかは、次のページで>>

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