犬は、ただ可愛いだけではありません。人間をはじめ、動物はみな病気をもっています。中でも気をつけたいのが、人と動物とに共通してうつる病気、「人畜共通感染症」。お互いが健康に暮らすためにも、こうした病気についても知っておきましょう。

人畜共通感染症(ズーノーシス/zoonosis)とは

可愛い犬からも病気がうつることが……
可愛い犬からも病気がうつることが……。特に鼻や口の周りなど、過度な接触は感染の可能性もあり。
人畜共通感染症(ズーノーシス/zoonosis)とは、人と動物とが共通して感染する可能性のある病気のことをさします。厚生労働省では人の健康を基盤に考えるという観点から、動物由来感染症という言葉を使っていますが、ここでは人畜共通感染症という言葉で統一して話を進めたいと思います。人畜共通感染症は、世界保健機構(WHO)の定義によれば、「脊椎動物と人との間で、自然に伝播(でんば)する、すべての疾病と感染」ということ。伝播とは、感染症がうつるといった意味です。

感染に関係する動物としては、牛や豚などの家畜動物、鳥類、野生動物、げっ歯類などの他、もちろん、犬やネコなど私達に身近な動物も含まれます。その数は200を超え、300近くはあるとも言われています。

人畜共通感染症の感染ルート

人畜共通感染症は、どのように感染するのでしょうか? その感染ルートには、大きく分けて2つのものがあります。1つめは「直接伝播」。2つめが「間接伝播」です。直接伝播は、咬まれたり、舐められたり、咳やクシャミなど、感染動物から直接うつるものを言います。それに対して間接伝播は、たとえばノミやダニなど、何らかの媒介となるものが存在してうつるものを言います。

間接伝播は、さらに3つのカテゴリーに分けることができ、病原体に汚染された水や土が媒介物となる「環境媒介」、ノミやダニ、蚊などの寄生によってうつる「ベクター媒介」、病原体に感染した肉や魚などが媒介物となる「動物性食品による媒介」の3つがあります。犬から人にうつる病気として考えると、注意したいのは、環境媒介とベクター媒介ですね。

以下、簡単に表にまとめておきましょう。
人畜共通感染症の感染ルート
人畜共通感染症の感染ルート