世界文化遺産登録、日本三景といわれる聖なる島、宮島。
厳島神社の大鳥居はTVでもしょっちゅう放映されてあまりにも有名だし、
本殿の回廊は、海中に建てられた複雑な構造が神秘的。
神が宿る、厳かな雰囲気に包まれた驚異の島、というイメージがありました。
今回はたまたま別の仕事で広島取材があり、
せっかくここまで来たんだから、というだけの理由で、何の前情報もなく、時間がないのを無理やり立ち寄ったのが宮島でした。
しかもこの日は豪雨。JRの宮島口駅からフェリーに乗ると、
遥かかなたに赤い鳥居と緑溢れる幻想的な島が仰ぎ見れる・・・
というビデオが船内に流れるだけで、実際は、窓は曇って雨がザアザア、外はどんより灰色で何一つ見えませんでした。
いきなり巨大しゃもじ
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しゃもじの回りにもそ知らぬ顔の鹿
フェリーを降りると、そこかしこになぜか鹿がいる!奈良公園をしのぐ勢い。放し飼い?のようです。どうやら聖なる動物、とされているらしい。鹿たちも特に人間に驚く様子もなく、かといって媚びることもなく、知らん顔でマイペース。ある意味平和な島だと思いました。しかし、このときすでに17時過ぎ。とりあえず、厳島神社の本殿が閉まる前に滑り込まねば、と土産物屋の立ち並ぶ参道を早足で急いでいると、突然表れたのは巨大しゃもじ!あまりに唐突で意味が分かりません。ちまちまとした土産物屋の間に挟まれて、当たり前のように悠々と鎮座しておりました。どうやら宮島はしゃもじ発祥の地らしい・・・。後で調べてみると、長さ7.7メートル、最大幅2.7メートル、重さ2.5トンという、世界一大きいしゃもじだとか。宮島の世界遺産登録の記念に展示されるようになったそうですが、これも既にギネスレベルではないでしょうか。
もしや、宮島ってしゃもじの町なの?と疑いを持ちつつ、厳島神社本殿へぎりぎりセーフで入場。雨の宮島もそれはそれで、なかなかオツな眺めではありましたが、時間が迫っているのでぼーっとしてはいられません。人もまばらな回廊をドタバタと早足で駆け抜けようとしていると、やはりここにもありました。厳島神社認定・公式(?)おしゃもじ様。紋章のような焼印が押され、お納めするにふさわしい神聖な面持ちではありましたが、価格はお手頃。「幸をすくう」とかそんな意味があるようでした。
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