骨董市へ行く日は嬉しくて仕方ない
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左下の写真は古いアイロン台。オブジェのようなフォルムです。 |
古道具といっても、自分の好きなものを置いているだけ、という川上さん。 店内にあるものは、そっけないほどシンプルで、素材感を感じるものばかり。 川上さんは昔から古いものが好きというわけでもなかったそうですが、骨董市へ行くようになってから、 ものの見方が変わってきたとか。 「骨董市で古いものに見慣れてくると、普段の風景も全く違って見えるんですよね。線路の錆とか、 かすれた文字なんかに味わいを感じたりして。 また、椅子などを修理して、もののつくりが分かってくると、 今まで気づかなかった美しさに一層気づくようになりました。 ものを真剣に見れば見るほど、色や形や質感に奥深い広がりを感じてしまって、 今まで見えてこなかったものまで、見えてくるような気がしました」。 モノを見るのが本当に面白くて、今でも骨董市へ行くたびにワクワクするそう。 「骨董市は朝早いし冬は寒いし、本当は結構大変なんですが、その日は嬉しくて楽しくて仕方ないんですね。 何年も行っているけど、未だに飽きるということはないです」。
国籍、年代よりもモノそのものの質感
モノ選びは直感を大切にする、という川上さん。 色、質感、形など、パッと見た瞬間に「これはいい!」と思ったら迷いはありません。 「いつの時代に作られたとか、どんな用途の道具なのかとか、歴史的背景や国籍などはあまり気にしません。 それより、モノそのもののフォルムや手触りなどが気になってしまうんです。 だから実はお客さまの方が詳しかったりもして、いろいろ教えていただくこともあります」。
店内で古道具を選んでいる、お客さまの様子を伺っているのも楽しいそう。 みんなそれぞれにツボがあって、その人らしい個性が垣間見れたりすると、ちょっと嬉しくなってしまうとか。 「女性はやっぱり直感的に選ぶ人が多いですね。でも実際に家でどう使うのか、結構シビアに吟味してる。 うつわやカゴ、箱など生活用品を手に取る人が多いです。 一方男性はモノの背景や年代などを気にする人が多いけれど、 一体何に使うのかわからないようなものを買ってったりするんですよね。 でも、持っている人の感性によって道具がいきいきとしてくれれば、それでいいと思っているんです」。
古道具 recit(レシ)
東京都杉並区西荻北5-26-17
TEL:03-3397-6136
営業時間:11:30~19:30
火曜定休
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