雑貨/アジア・和雑貨

世田谷・夏椿 懐かしい日本の風景を

世田谷線の上町駅を降りて、少し歩いたところに、器と暮らしの道具の店がオープンしました。しっとりと落ち着いた佇まいの、古きよき風景がそこにあります。

江澤 香織

執筆者:江澤 香織

雑貨ガイド



入り口
一瞬、料亭かな?と思ってしまう、風雅な門構え。


世田谷線の上町駅から少し歩いた静かな住宅街に、一軒のお店ができました。 世田谷通り沿いをそのまま歩いて、交番のところまで来たらあと少し。 ケンタッキーの脇を左に曲がります。 まわりは普通の家々なので、ちょっと不安になりますが、 そんな中にひっそりと紛れ込んで、もうずっと昔からそこにあったような風情で 佇んでいます。ふわりとなびく、白いのれんが目印。(看板はまだ製作中でしたが、 6月下旬くらいにはできるそうです。) 立派な門をくぐって、中へ入ってみましょう。

古きよき日本、向田邦子の世界に憧れて

ゆるりと緩やかな時間が流れる。
のれんの向こうには緑が気持ちよい静かなお庭が広がっており、 そこには、古きよき日本の、どこか懐かしい風景がありました。 点々と続く飛び石を渡って、「こんにちはー」とご挨拶。 ご近所さんを訪れるような気分で、お庭から直接、靴を脱いで部屋へ上がります。 木の床に腰掛けて足をぶらぶらしながら、しばらく辺りを眺めていてもいいかもしれません。

この店の店主は、恵藤文さん。元々は二子玉川にあるうつわの店「KOHORO」で 店長を務めていました。 その後、漆作家・山岸厚夫さんの店「KINJU」のプロデュースに関わり、 今年の5月にこの店をオープン。 恵藤さんならではの目線で選んだ、うつわを中心に暮らしの道具を扱うお店です。
「ずっと庭付きの一軒家を探していました。 ここはしばらく空き家だったそうなんですが、 木がたくさんあるのがいいな、と思ったんです。 この辺りは昔、東宝の映画の撮影所が近くにあり、 ここは俳優さんたちの休憩所だったそうです。 美空ひばりさんや原節子さんも、この家で休まれていた、 なんていう話も興味深く感じました。 この家は、人が集まる賑やかな雰囲気が似合うような気がして。 人が来ると、家が喜んでいる感じがしたんですね。 また、向田邦子のドラマが好きで、そんな世界を感じさせる空間にしたいと思いました」。

店内
シンプルで心地良く、健康的な道具が集まる。




次ページでは、さらに店内の様子をご紹介します。
店の様子
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